まるでネイティブじゃないか。
中学高校と6年間アメリカで過ごした上野さん。
現在慶應大学に在学中。
彼女に限らず、日本にずっと住んでいる私たちからすると
ネイティブに聞こえる彼女たちの英語。
どうしてこのレベルまで6年間で習得してしまえるのか?
まず、秘訣がある。
*音がナマ英語を吸収している。
そのため発音に関しては真似ていけばネイティブのような発音を習得できる。
*多量のリスニングができている。
英語にいつも接しているからそれが当たり前の状況になっている。
この2つは わざわざ指摘するまでもないだろう。
しかし、日本にいて、多量にリスニングしていれば、同じように英語が
上達するんじゃないかと思うが、そうはいかない。
なぜか?
日本の英語教育も、英会話学校も見落としているのは、
多くの人は「音読」などすでにある英語をなぞることをアウトプットと勘違い
している。
「英語をなぞる」=「英語をゆっくりアタマに刷り込む」=インプット である。
アウトプットは、「自分のアタマで考えた英語を出す」ことだ。
帰国子女の英語が流暢なのは、この「自分で英語を作る」作業を
日に何度もやっているからだ。
何度もやっていれば、会話表現はほとんど限られるから
「考えるまでもなく」 瞬発力をもって口から出てくるフレーズができてくる。
店でよく使う
What can I do for you?
Are you looking for something?
May I help you?
How may I help you?
店員がこんな表現を何度も来る客ごとに言っていれば、
考えるまでもなく 口から出てくる。
同じように、日常会話では、こういったパターンがいくつもある。
「教えてもらえますか?」を何度も使っていれば、
「電話番号を (教えて)」と意識するだけで、
Can I get your phone number?
というフレーズはすぐに口から出てくる。
聞いた英語を、今度は自分で使う英語に転換する
という作業を 日に何度もしていくうちに、
英語を作るという作業に慣れてくる。
言葉に慣れてくると、そういったパターンをいくつか組み合わせて
ドンドンつなげていくことができるようになる。
英語が上達するにつれて、徐々に長い英語が話せるようになってくるのも
このためだ。
「瞬間的に口から出てくる部分」と「自分で考えて作り出す部分」が
うまく交じり合っているから、時間差なくドンドン話せるようになる。