英語を学ぶ時に一番難しいのは、英語の文構造。
日本語と英語は文の構造がまるっきり違うから、
英語の文構造を学ぶことが英語上達の近道といえる。
日本語は言いたいことが一番最後にくることば。
たとえば、アーウィンショーの小説の翻訳タイトルは、
「夏服を着た女たち」。
一番言いたい「女たち」という名詞が一番最後にくる。
しかし、オリジナルの題名は、
The girls in their summer dresses
一番言いたい[the girls]がまず最初にくる。
いざという時に備えて「水を確保しておきたい」というときも、
日本語では、「私は水を確保しておきたい」と、「確保する」と
いう一番重要な動詞が文の最後にくる。
英語の場合は、「私は確保したい」と、「誰がどうする」という
一番重要な内容をまず言ってしまう。
I want to stock
それから、[some water]をあとに付け加える。
I want to stock some water.
この簡単なレベルでネイティブ発想ができるようになると、
レベルが上がっても、英語についていける。
たとえば、
日本語発想では、
「もはや地球には水を浪費する余裕はないので、私は水を無駄にしたくありません。」と、
一番言いたいこと、つまり「無駄にしたくない」が一番最後にくる。
ネイティブ発想では、「無駄にしたくない」が一番重要、
つまり一番最初に持ってくる。
I don’t want to waste
それからあとは、なぞなぞのように問いに対する答をくっつける。
何を無駄にしたくないのかというと、「水」
=> I don’t want to waste [any water].
なぜなら、「もはや余裕がないから」
=> I don’t want to waste any water [because we can no longer afford]
何の余裕がないかというと、「そんなことをする(水を無駄にする)」
=> I don’t want to waste any water because we can no longer afford [to do that].
どこにそんな余裕がないのかというと 「地球」
I don’t want to waste any water because we can no longer afford to do that [on the earth].
ネイティブは次のように考えて英語を話したり書いたりする。
「わたしは、したくない 水を無駄にすることを」
「なぜかというと」
「我々にはもはや余裕がないからだ 水を浪費するなどという」
「この地球では」
ネイティブ発想で英語を創っていけるようになると、
英語はいくらでも自分で作れるようになる。これができると英語が話せる。
リスニングも、リーディングも同じようにネイティブの発想がわかるようになる。
どんな長い英語でも書いたり作ったりできるようになる。
たとえば、「関係代名詞」は、言葉を難しくするためにあるんじゃなくて、
必要があって便利だから、それが「開発」されたにすぎない、
ということもわかってくる。
では、問題。
「一杯500円もするミントティーを飲むのが好き」を英語にできるか?
これも、ネイティブ発想で考える。何が重要か? 「誰がどうする」だ。
つまり、「私は好き」が文の重要部分になる。
ネイティブ発想
「私は 好き」=>「飲むのが」=>「ミントティーを」
これをまず、英語にすればいい。
「私は 好き」 => I like
「飲むのが」 => I like to drink
「ミントティーを」=> I like to drink mint tea
「どんなミントティー」かを説明するのは後回しになる。
つまり、I like to drink mint tea. でとりあえず言いたいことは言えている。
そこで、今度は「ミントティー」の説明を付け加える。
「一杯500円もする」というのがミントティーの特徴だ。
「料金がかかる」=> cost
「~も」=> as much as
500円 => 500 yen
「一杯につき500円」 => 500 yen a cup
=> cost as much as 500 yen a cup
「一杯500円もする」はミントティーの説明だから、
ミントティーに覆いかぶさっている。
こんなイメージ。
I like to drink mint tea.
そしてそのミントティーは => cost as much as 500 yen
この2つをつなげたい時に便利なのが which や thatなのだ。
だから、便利だから、それがよく使われるようになった。
次のように使えば、文がうまくつながってくれる。
I love to drink mint tea [that] costs as much as 500 yen a cup.
「一杯500円もするミントティーを飲むのが好き」を
いきなり英語にするのは、難しいかもしれないが、
「日本語発想」=>「ネイティブ発想」への切り替えをすれば、
簡単に英語が作れるし、この程度の文章を口頭で言えるようにもなる。