英語は果汁100%がおすすめ!
すでに基本的な英文たとえば、
The train stopped suddenly.
がわかっているあなたにとっては、
英語をそのまま理解するというのは
必ずできることだからです。
なぜ、英語のままの理解にこだわるかというと、
理由が2つあります。
1つは、日本語は日本語のまま理解し、話すのが当たり前の
ように、英語は英語のまま理解し話すのが当たり前だからです。
もう一つの理由は、時間効率です。
あなたは、忙しいに違いありません。
忙しいにも関わらず、英語を上達させたいと
考えている。
それならば、少しの時間で最大の効果を得たいと
考えるのは当然のことでしょう?
ところが、英語習得に関しては、なぜかみなさんは、
最小努力で最大結果を得ることに無頓着なのです。
あるいは、気づいていないのでしょうか?
英語を濃度で考えてみるとわかりやすいと思います。
中学は入りたての頃を思い出してください。
have って何?
なんで、それが 今度はhas になるの?
こんな状態から英語を始めましたね。
この頃は、きちんと先生の説明があることが
きっと有益だったはずです。
He とか She のときは、 have じゃなくて has を
使うんだよ。といわれると、まあ、そういうものかと
納得もできますね、知らない言葉なんだし。
英語学習のごく初期の時は、このように日本語の
わかる先生による文法の説明というのは、効果が
あるはずです。
最初のころは、進む進度は遅くても、きっちり基本が
わかるのが一番ですから。
言い換えるなら、
英語先生の日本語による説明を聞き、
さらに英文をすべて日本語に訳して理解していく
という方法です。
習い始めはこれが無難でしょう。
これを英語濃度にたとえてみましょう。
英語濃度は5%から10%くらいじゃないでしょうか。
英語濃度というのは、授業時間のうち、
実際英語に触れている時間です。
先生の日本語による説明や、ひとりずつ生徒が
順番に英文を訳していくので、英語濃度は
非常に低い状態です。
50分授業のうちのたったの5%が実際の英語に
触れる時間ではないでしょうか。
最初はこれでも、仕方がない。
しかし、先ほどのような基本英語、
The train stopped suddenly.
がわかるくらいのレベルならば、
英語濃度はどんどんあげていかなくてはいけない。
そうでないと効率が悪いからです。
説明はもう要らない、でも英語は全部
日本語に訳したいという人は、英語濃度は50%。
習いたてから半年くらいは これも仕方ないでしょう。
それでも、英語濃度は、5%から50%に大幅アップ
ですからよしとしましょう、中学1年の秋までは。
しかし、これでも、投入した時間の半分しか
実際には英語に触れないことになります。
もっと、英語濃度を高めて、
英語を読んでみたら20%がわからない。
じゃあ、そのわからない20%の部分だけ日本語に
訳して理解する。残り80%は英語を読むそばから
理解できたので、通過。
これで、英語濃度 80%です。
こうなると、かなりスピードに乗ってきます。
わかったところは、振り向かない。
通り過ぎるだけ。
相乗効果も出てきます。
英語濃度80%で授業が進んでいくと
(または自分で学習すると)、
接する英語の80%はどんどん通過する状態です。
つまり、どんどん新しい英語、新しい英語に
触れている状態になります。
相当な英語量になってきます。
そして、重要なことは、英語は積み重ねで
できているので、このこなした英語の80%は
英語の基本の基本に相当します。
つまり、どんどん英語をこなすことは、
新しい知識を吸収する以上に、
英語の基本を、どんどん繰り返して、
習熟してしまうことになるのです。
それまでにこなした英語量からして、
基本的な英語にかなり習熟してきます。
そうすると、2千語、3千語の単語などは、
自然に頭に入っているレベルにはなります。
この状態であると、わからない英語を、より簡単な英語の
説明で理解できるようになってくるのです。
今までは、
わからない英語 => 日本語で理解
それが、
わからない英語 => より簡単な英語で理解
ということができるようになります。
あなたが小学校で国語を習ったときのことと同じ状態です。
小学3年生が、日本語の意味がわからない時に、
もっと簡単にかみ砕いて話してあげればわかるようになりますね。
これは、日本語の基本の基本が かなり成熟した状態で
あたまに入っているからです。
その英語版と考えてください。
その典型が、英英辞典です。
英英辞典は2千語程度の基本英語で書かれています。
言い返せば、どんな難しいと思われる言葉でも、
2千語の言葉を知っていれば理解可能、ということです。
もちろん、単語に限りません。
わからない概念は、よりやさしい英語で理解する、
これができようになると、英語濃度は100%になります。
すべて英語で理解すれば濃度100%
同じ1時間でも、英語のインプット量がこんなに違います。
英語インプット量
学校の授業 濃度 5% O
日本語に訳す 濃度 50% OOOOOOOOOO
英語のみ 濃度100% OOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
1週間に英語の時間を10時間とるとすると、
実際の英語のインプット量は、次のとおりです。
学校の授業 濃度 5% 10時間のうち30分が英語
日本語に訳す 濃度 50% 10時間のうち5時間が英語
英語のみ 濃度100% 10時間すべて英語
このように、英語のまま英語で理解していく方法は、
英語を習得する方法として効果があるだけでなく、
実際の時間効率で考えても圧倒的に効率的な方法です。
これが1ヶ月、半年、1年という期間で考えると、
その差はさらに大きくなります。
しかし、学校での授業は、なぜか初期の英語濃度5%の
まま、中学高校とず~っと濃度が低いまま進んでしまいます。
すでに英語濃度をあげるべき段階にきているのに、
それでも、授業では、ずっと日本語による解説と、
名指しされた生徒による和訳が続く。
そして、あなたは、この状態に慣れてしまって
いるのではないでしょうか?
6年間も続けたら、誰だって慣れてしまいます。
そしてこの状態に慣れてしまうと、
「和訳はないんですか?」
「和訳がないと確認できない!」と、
和訳や日本語解説がないと不安になる。
これが一番恐ろしいことです。
先週 本屋の参考書の棚で高校生2人が
次のような話をしていました。
「だからさ、これはthat節を導いているんだよ。だから時制が
文節の前とあととで一致させないといけないんだ・・・」
こんな話が延々と続く。つまり先生のつもりになって
英語の講釈をしているわけです。
できるだけ詳しい説明つきの教材やら参考書を欲しがる。
しかし、実際の英語のインプット量が圧倒的に少なくなって
しまいますから、効率はどんどん下がっていく。
これで英語力をあげろというのはムリではないでしょうか?
英語濃度をあげて英語に接することの重要性は
ここにあります。
日本人が英語を中学高校と6年間も習っています。
このことを、英語ネイティブに言うと、
「なら、君が英語が話せて当然だね。」
といいます。
誰だって、そう思いますよね。
私たちだって、日本語を6年習っていると聞けば、
「ああ、じゃあ日本語話せて当然だよね。」と
思うでしょう?
イギリス人が日本語を6年間習っているという。
日本語話せないわけないですよね。話せて当然。
誰が考えても、このイギリス人はかなり日本語が
話せるはずだと思う。
ところが、ほとんどの日本人は英語が話せない。
そのことを先ほどのアメリカ人に言うと、
「なぜ? 6年間も習っているのに!」
6年間というのは見かけだけ。
たとえば中学3年間の英語インプット量は、
総語数7,000語です。
アメリカは移民の多い国ですね。
英語ができないまま移民してくる子も多い。
親と一緒に連れてこられた日本人の子どもも
英語はできない。
こういった英語のできない子は、特殊学級
であるESL(英語が第2言語の人)のクラスに
まず入ります。
まあ、日本の中学生とスタート時点は同じです。
そこで、毎日小冊子1冊読む宿題がでる。
1冊あたり、約1,000語です。
日本の中学生は、3年間で7,000語だから、
つまり、7日間で日本の中学3年分の英語量を消化してしまう。
3年間 に対して 7日間 です。
こうして、海外の英語できない組は、1ヶ月経たないうちに、
日本の中学、高校で学ぶ英語量を圧倒する英語量を
吸収、消化していくのです。
そして、自分と同じ学年の普通クラスに入っていく。
そうして英語を進化させていくのですが、日本人の子は優秀で、
じきに平均的ネイティブを追い越し、選抜クラスに進む子も多いそうです。
なぜそれが可能かは、英語濃度です。
英語濃度は100%。
わかっていようがいまいが、先生は英語で説明する。
(もちろん、日本語はわかりませんから。)
生徒は、なんとか先生の英語の説明を理解しようとする。
まあ、英語はできるようになりますね。
たしかに、これはきついです。
しかし、あなたも、次の英文がぱっとりかいできるなら、
限りなく英語濃度100%に近い状態で学習したほうが
効果は倍増します。
こんな英文です。
I drove back from Tokyo last night.
Would you like to have something to eat?
I often work very long hours.
どうですか? わかるでしょう?
このレベルがわかれば、たとえば、わからない英語
President Obama and Congressional leaders
will now fashion the final bill to expand
government oversight of the increasingly
complex banking industry and financial markets.
「ふええ、わからない」と思っても、これを簡単な英語で
理解していけばいいのです。
わからなくて、あたりまえ、でも、より簡単な英語で理解して
いけば、どんどんわかっていく。
小学1年生がどんどん、言葉を習得する段階と同じです。
これに気づけば、英語の学習とは、母語(国語)の
学習と同じことに気づくと思います。
何も不思議なことはなく、あなたが子供の頃たどった道を
今度は英語でやってみればいいのです。