私の友人(カナダ人)に、日本語をマスターした
方がいて、今日本で仕事をしています。
英語のナレーションなどを行う会社を経営していて、
自身も深みのある英語でナレーションをする、
プロの声優です。
流暢な日本語を話しますが、彼は、なんと
NHKの基礎英語やNHK英会話が、
「日本語の勉強にとても役立った」と
言っています。
え、だってあれ、英語を勉強する人の講座でしょ?
そう聞くと、彼がこう説明してくれました。
ご存知講座の内容の英語は ほんの少しのスキット。
それに対して、大量の日本語を使って説明する。
つまり、英語ネイティブの彼にとっては、
少しの母語を使って、多くの外国語を学ぶ
環境にピッタリだったのです。
これらの語学番組は、日本語による
説明がほとんどで、学ぶべき語学の時間は
ほんの少し。
これは、まるで高校英語のリーダーの輪読みたい
なものです。 はい、つぎ高橋、訳してみろ、なんて。
ちなみに、NHKはネットで日本語講座も提供してます。
これ、聞くと面白いですよ。
日本語の会話で習うのは、
「あのう、すみません。パスポート落ちましたよ。」
「えっ?」
これだけ。
これだけを、5分間の「英語」で説明するのです。
Leo has just arrived at Narita
Airport.
A young Japanese woman speaks
to him.
こんな風に、ずっと英語が続くのです。
つまり日本語を勉強したい人は、5分も自分の言葉(英語)
で説明を受けて、
「あのう、すみません。パスポート落ちましたよ。」を
学ぶのです。
時間で比較すると、
学ぶ外国語が 5%
自国語の説明が 95%
彼も最初は、自分の学ぶべき「日本語講座」(当時は
テレビでやっていたそうです。今もやっているのかな。)を
見ていたそうです。
でも、2,3回見て、「これじゃあ、全然日本語の勉強にならない」
と気づいたそうです。
「日本語を勉強しているのに、小林克也さんの英語の説明ばかり
頭に残る。」(当時小林克也氏が担当していた。)
これじゃあ、役に立たない。
何か役立つ教材がないかなあ、と思っていたところ、
同僚の日本人が昼休みに、NHK語学講座の
テキストを見ているのを見つけた。
聞いてみると、基礎英語やら、英会話なんとかやら、たくさんある。
それで、家に帰って、ラジオを聞いてみた。
すると、なんと英語を学ぶはずの講座なのに、
日本語を学ぶのにピッタリだった。
英語のスキットは、2回くらい流されるだけ。
あとは、ずっと日本語による解説。
英語講座なのに、
日本語 95%
英語 5%
くらいだと感じたそうです。
「これは、英語の勉強じゃなく、日本語の勉強になる!」
彼は直感したそうです。
変な話ですが、彼は、英語講座を片っ端から聞いたことで
日本語の基礎ができたそうです。
彼の会社のスタッフは3分の2が日本人ですが、日本人スタッフとは
流暢な日本でコミュニケーションをしています。
じゃあ、英語を学びたいあなたはどうすればいいのか?
このカナダ人と同じことをすればいいのです。
そうです、日本語講座を聞いてみるのです。
わかりますね。 講座の内容は、
英語95% 日本語5%なんです。
たった1行の日本語を、英語で5分間説明してくれるんですから。
英語を学ぶんなら日本語講座を聞いてみましょう。
NHKもこれに気づいて、すべての講座の日本語と英語の
比率を逆にすれば、きっと視聴者の語学力はあがるでしょう。