前回紹介したリスニングの原因を探る方法で、では、原因が分かった後、
どのように対処したらよいのか、ということについて、今回お伝えしたい。
リスニングが出来ない原因が下記の3つあることを先週お伝えした。
1) 解釈スピードがついていけない
2) 単語やフレーズ自体、知らない
3) 音の変化に気づいていない
まず、(1)の解釈スピードがついていけない場合は、これは、音声であろうと
英文であろうと、スピードが通常使われている英語のスピードについていって
ないという問題。
学校の試験では、ゆっくり読み、じっくり考えることでよかったが、実際に
英語を聞く場面では、それではスピードについていけないことが多い。
この対処には、自分にとって十分わかるレベルの英語を、勢いをつけて読んでみること。
さらに、
英語はできるだけ簡単、たとえば日常会話レベルの英語、
単語をみればぜーんぶわかる、という
レベルの英語をたくさん聞くことだ。
これによって、スピードに慣れていく。
さらに、予測力をつけるために、自分で英文を組み立てることが有効。
実は、日本語も英語も、聞こえる前から何が次にくるか予測できる。
それを可能にするのは、自分の頭で英文を組み立てることができる能力だ。
たとえば、
「この案件について貴方と話がしたい」という英語がぱっと組み立てられるかどうか。
これが、できないと、
I’d like to ….. の … の部分が予測しにくい。
簡単な英語でいいから、たくさん英語を組み立てること。
それにより、解釈するスピードも速くなる。
2) 単語やフレーズ自体、知らない
これは、純粋に英語レベルの問題なので、英文をじっくり読み込み、
単語、フレーズを増やしていく。
場合によっては、中学レベルの英語から始めなければいけない人もいる。
しかし、中学レベルの英語は、実践では相当使えるので、それは、
必ずクリアしておく必要がある。
もっと、レベルの上の人は、自分で何とか読めるレベルの英文をよく読む、
という方法が役に立つ。
。
英語の教養レベル、知識レベルを上げていくには、(1)で紹介したスピードをつける
方法と対極の、じっくり英文をこなしていく方法も必要になる。
(3)の音の変化についての対処法
は、前回も書いたが、[I’m going to]は
[アイmゴナ]と聞こえる という知識をどんどん蓄えてデータベース化していくことだ。
聞こえ方は、話しての出身地によっても違う。
英語ネイティブは、データベースが豊富なので
地方のなまりにも対応できるが、それでも完璧ではない。
ましてや私たちが、アイルランド地方の英語を聞きとろうなんて
愚の骨頂である。
私たち日本人は、まずは、標準的なアメリカ英語を利用するのがいい。
もちろん、BBCのアナウンサーなどのイギリス英語でもよい。
最も使われ実用性があるからだ。
標準的アメリカ人の発音に対応する英語耳のデータベースを
構築していくのが、近道だ。