リスニングを向上させたい、という要望が英語学習の中で一番多いのではないか?
ところが、実はリスニングができない理由を自分でわからずに、むやみにリスニングが
できないといって、一日3時間もラジオ放送を聞きまくり、全く効果がないと嘆く人が多い。
まず、リスニングができない原因を探り、問題がどこにあるのか見つけることが大事。
むやみに「できない、できない」と言って、聞きまくっても効果は薄いだろう。
私が自分自身で音声が聞こえなくて困っていたとき、どこに原因があるのかを
徹底的に追求した。
そして、聞くものによって、聞き取れない理由が3つあることに気づいた。
それは、
1) 解釈スピードがついていけない
2) 単語やフレーズ自体、知らない
3) 音の変化に気づいていない
この3点だ。
順々に説明してみる。
1)の解釈スピードがついていけない、というのは、
もし、音声で流れてきている英語が紙に書いてあるとする。
その英語を、音声と同じスピードで目で追って、解釈できるかどうかである。
たとえば、次の英語は、映画「When
harry met sally」の一部。
Why can’t you give me credit
for this?
This is a big thing for me.
このせりふ1秒半、たったの1.5秒だ。
では、上記の英文を初めて見て、1.5秒で解釈できるか?
a) もし、出来れば、問題は、解釈スピードでなく、他にある。
b) 1.5秒では解釈できない、しかし5秒かければわかるのであれば、
問題は英語を解釈スピードを上げることでひとつ解決する。
b) 1.5秒では解釈できない。しかも10秒かけても解釈できないのであれば、
問題は、解釈スピードではなく、次に説明する 単語やフレーズ自体知らない
にある。
2)の単語やフレーズ自体知らないから聞いても分からない、
というのは、
そもそも、リスニングの問題ではない。英語力自体の問題なので、
その英文を解釈できるようにすることが解決になる。
たとえば、テレビドラマ フレンズで次のセリフがある。
I don’t know if he has what it
takes.
この中で、 what it takes を知らなければ、単語を聞き取れてもお手上げ。
what it takes は、「それだけの資質がある」という意味で、
「彼に資質があるかどうか、わからないなあ」という意味になる。
3) の音の変化に気づいていないについては、
該当の英文を音声と同じ1.5秒で読めて解釈で
きる、
しかし音声になると聞き取れないというもので、これが純粋に
リスニングの問題になる。
3)に該当する場合は、音声自体に慣れていないことが原因だ。
学校では、欧米人がナチュラルなスピードで話すと、音の欠落やリエゾンなどが
起こる、というところまでは、教えてくれない。
また、日本人はネイティブがナマで話す英語に触れる機会があまりない。
それが、聞き取れない理由になる。
この場合の解決は、英語原稿と音声を照らし合わせて、
「whay can’t you」は、[ファキャンy]と聞こえる というように、
どんどん音のデータベースを自分で構築していくことが解決になる。
たった1分の音声のために、1時間かけて英語を書き出していくのが効果的。
一時間かけて書き出し、それを原文と見比べ、聞き取れていないところを把握する。
これだけ作業すると、覚えようとしなくても、ほぼ覚えている。
この状態で、今度は 音声をバックグラウンドに、ネイティブと同時に英語を言ってみる。
自分で、ネイティブと同じスピードで何も見ずに英語が口からでることを繰り返すと、
リスニングが向上する。
ちなみに、これらの1,2,3 どれも解決には手元に英文原稿があることが
望ましい。
そうでなければ、何で聞き取れないのか、その原因が分からないからだ。
原因さえきっちりわかれば、それに上記の方法で対処ができる。
まずは、「聞き取れない」原因を探ることがリスニングの近道になる。