前号でお伝えしたプライミング記憶による効果に非常に多くの
読者の方から「興味がある」とのメールをいただいたので、
では、DVDを使って英会話上達に使えるか、というのをご紹介。
もう一度言いますが、プライミング記憶というのは特殊なものではなくて
私たちがみんな持っているもの。
一口でいうと 一度接したことのある情報を無意識にとどめておくことで、
2度目に接したときに、その情報が自然と引き出される。
これを英会話学習に活用するには、
まず映画を一通り楽しむ(ストーリーがアタマに入るの英語理解に役立つ)。
ステップ1 該当箇所を英語字幕を読んで意味をとる。
ステップ2 字幕をオフにして、該当箇所の音声を聞き取る。
ステップ3 英語字幕を目で追いながら、音声にあわせて音読する。
ステップ4 再び字幕をオフにして、音声のあとについてシャドイングする。
ステップ5 仕上げ。字幕をオフにして音声を聴く。このとき、声に出さずに頭の中だけでシャドイングする。
映画でこの方法をとることの利点は、まず映画を見ている間、あなたは映画の世界に引きずり込まれていること。
これは、言い方を換えると、軽い催眠状態にあることになる。
催眠というと大げさに聞こえるかもしれないが、映画館を思い起こして欲しい。
真っ暗な中で映画に引きずり込まれていくと、時間の感覚が無くなる。
もう映画に熱中している。この状態はすでに軽い催眠状態になっている証拠。
あなたの無意識は、現実と映画で起こっている幻想の区別がつかないから
ホラー映画だと本気で怖い思いをすることになる。
やくざ映画を見終わって、映画館からでてきた人が肩をイカらせて歩くのは、無意識がまだ幻想の世界に
いるから。 自分がヤクザになった気持ちになっている。
さて、話を英会話に戻すと、映画でこのプライミング効果を使って英会話上達をもくろむのは、
*映画にはまっているので、すでに脳みそがプライミング効果を出しやすい状態
*映画に英語は簡単な会話、しかも非常に使える表現が多いのでアタマにしみこみやすい
という利点。
たとえば、ミッション・インポッシブル。
早い展開だし、映画に没頭できること間違いなし。
しかも会話が非常にテンポがいい。リズミカルにアタマに入っていく。
たとえば次のような会話。
“I can’t tell you how sorry I am. I know how much Jim, in particular, meant to you, Ethan,
personally as well as professionally.”ホントに残念なことだよ。 イーサン、特にジムは個人的にも仕事でも君にとってどれだけ
大切だったか。“Here’s a passport, visa. Usual drill.”
ほらパスポートにビザだ。いつもの通りだ。
“I think we’ve lost enough agents for one night.”
一晩でずいぶんと仲間を失ってしまったな。
こういった、簡単な単語+英会話表現がつながっているだけ。
これを元にステップ1~5の手順で一通り、映画を見るとそれだけで英語力がかなり上がったと
感じることができる。