映画の英語を楽しむには?
先日英語翻訳を仕事にしている方とお会いして、
「私、TOEIC満点、英検1級を取得してからこの仕事を
始めてるので、今の英語力はもっと上だと思うんですが、
英語、聞き取れないんですよ。これってやっぱり現地で
英語を磨かないとダメなんでしょうかねえ?」
英語の上級者の方からこんなお話をいただくと、
「いやあ、気楽に楽しんでやってればいいんじゃないですか」
なんていえなくなってしまう。
上級者でも悩みがあるんですねえ。
ちなみに、上級者の方の英語のリスニングが聞き取れない
悩みは、経験不足と英語処理能力にあるのではないかと
思っている。
経験不足というのは、ガンガン英語を聴く時間がまだ足りないこと。
結構読むことは今までやってきただろうし、さらに語彙もかなり
覚えているはず。
けれどもリスニングだけ、それほどにはやってこなかったんじゃあないか
と思う。
なので、時間をリスニングに振り分ければ、かなりリスニングが向上する
のではないでしょうか。
英語処理能力というのは、リスニング、たとえばCNNニュースは1分間に
180語くらいのスピードで話される。
映画になるともっと早い。
これに対処するには、それと同等の処理能力がないと、追いつかない。
たとえば、ストップウォッチをもって、新聞記事でもTIMEでも、小説でも
なんでも読んでみる。
それで、どのくらいのスピードかを計ってみると、上級者でも多分150~
160語くらいだろう。
意識しないとこのくらいのスピードになってしまい、英語ネイティブの200~
240語くらいとは大分差が出てしまう。
この差がやはり、リスニングにも表れるのではないかと思う。
このメルマガの大多数の読者は、初級者、中級者の方々だが、上級者が
このようにリスニングに悩んでいるのだから、聞き取れないからってあまり
がっくりくる必要はないでしょう。
反対に、これから大きく伸びる余地があるのが、初級、中級者。
あなたのリスニング力をぐんとあげるには、
*意識的に英語処理能力を上げるよう努力してみる
*たくさん聴く。しかも集中して。
の2つを意識して、これを習慣化すると、かなり大幅にリスニングは伸びる。
しかも読解力、つまりたくさん読む能力も上がるし、それを理解する能力も上がる。
ひとつ、カンタンに自分でできる方法を紹介。
DVDを買う。最初はテレビドラマ「フレンズ」なんかがいい。
これは、テレビドラマは、30分くらいの枠で話が完結するから、会話の密度が濃い。
だから映画に比べると時間効率が非常にいいのだ。
それとスラングが映画に比べてかなり少ない。
だれでもわかるスタンダート英語が中心なので、よりわかりやすいという利点もある。
まず、日本語字幕、英語音声で楽しむ。
これはただ楽しめばいい。
次に、英語字幕、英語音声にする。
ここでは、英語字幕と音が一致するように努める。
つまり、目から入ってくる情報と、耳から入ってくる情報が一致するということ。
3番目、字幕なし、英語音声にする。
どのくらい、耳から入ってくるかを試すことができる。
先ほど英語字幕を目で追っているので、全くゼロの状態から聞き取るよりもかなり聞き取りがよくできるハズだ。
さらに時間がある人は、4番目として、聞き取ったものを書いてみる。
パソコンなどでDVDを見れば、簡単に「一時停止」できるので、
何度も途中で止めて、実際に文字を書いてみる。
ディクテーションという方法で、学校時代にやったことがある人もいるかもしれない。
時間がかかるが、正確な聞き取りができるようになり、効果は大。
カンタンな方法だけれど、楽しみながら毎日15分やってみると、
あなたのリスニング力も 1ヶ月でかなり上達する。