大学受験の英語とビジネスの英語

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中学生へのメッセージとして、大学受験を目指して
英語を勉強していけば、将来役に立つ英語力が
身につきます、という内容を以前書きました。

しかし・・・

すでに社会人になっている多くの方は、疑問に思って
いらっしゃるでしょう。

「オレはちゃんといっぱしの大学にも合格したが
英語はできんぞ」とか
「じゃあ、有名どころの大学生はペラペラ英語しゃべれるのか」
などなど。

 

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大学受験の英語は役に立たない?

なぜ大学受験の英語が役に立たないという評判が
立つかというと、求めているものが違うからです。

大学側が求めているのは、「教養のある英語力」であり、
一般の人が求めているのは、「常日頃 日本語で会話している
内容を、そっくりそのまま英語でできるようにしたい」ということでしょう。

両者には大きな隔たりがあります。

例えですが、大学は「文化人類学の文献をひも解きながら
その内容をレポートにまとめ、口頭で発表し、他の学生や
教授と議論を戦わせる」ことを求めている。

それを英語でできるようにしようと考えているわけですから
その素地を持っている学生に入学してほしい。
そのため、受験英語はそれにあわせたレベルになる。

おのずと、教養ある欧米人が読む本や新聞、例えば
人類学者の専門書からの抜粋や、ニューヨークタイムズの記事が
そのまま出題される。

実際私が大学(日本の大学です)で受けた授業のいくつかは、
英語圏の大学教授が招聘教授として授業をしていました。
授業はもちろん英語で、質疑応答やプレゼンもありました。
英語の文献の読む量や英語で書くレポートは相当な量でした。

 

ビジネスで求められる英語力のレベルは?

 

ところが、ビジネス界や一般の日本人が求めている英語力とは、
先も言ったように、「日本語で交わしている日常会話を、
そっくり英語に置き換えてできるようになりたい。」というレベルです。

下記は昨日、アメリカの友人からもらったメールです。
ものすごいシンプル、です。

Hi T – great to hear from you! how is your 2013 so
far?
Have you stayed in touch with
Kyoko Nishi?

I will be in Bangkok,
Singapore and Hong Kong in
March/April,
including for Longis.

Hope to see you sometime soon,
Paul

ビジネスで求められているのは、このようなシンプルな英語を
自由自在に、読み、書き、話し、聞く技術です。

ですから、もしこの両者の意見を取り入れた英語教育を
考えるとすれば、

1 今までどおりの中学英語+高校初級文法

2 それらを使いこなす練習 (ビジネスレベル完了)

3 今までどおりの大学受験へ向けた学習

でいいのではないかと思います。

2の 中学、高校初級の文法構文を「使いこなす練習」が
今の教育に欠けているので、これを補えばいいのです。

私が言う使いこなすと言うのは、知っているレベルでなく、
読める、書ける、話せる、聞ける という使えるレベルです。

普通の日本人が憧れる英語力とは?

 

私は中国語はできませんが、多分下記のビデオのように、
福原愛さんが中国でやってることを英語でやりたい、
というのが 多くの日本人英語学習者の目標なのではないでしょうか。

福原愛さんの中国語インタビュー

ビデオ10分過ぎた頃から盛り上がっていますが、
私には話の内容が全く検討がつきません。(*^_^*)

ネットに散見される、「ホンモノの中国東北なまり」というのもスゴイ。
英語で言えば、ホンモノのイギリス North Devon地方のなまり
というノリでしょうか。

そこで、福原愛さんの中国語学習について調べてみました。
なんと、手元にありました。
雑誌 Number 795 号でインタビューを受けていました。
タイトルは 「中国語と母とダブルスと」

カンタンにまとめると、
中国語は小学校4年の時から本格的に接し始めた。
その理由は、所属団体のコーチをはじめ卓球の環境が
中国語を自然に話す環境になったから。
中国語を覚えて言った手順としては、

始めは、単語レベル、それから短いフレーズ、文法を周りの
中国ネイティブが話している音から覚え、構文の単語を
入れ替えれば、いろいろ自分で話せることに
目覚め面白くなったそうです。

「これは中国語で何ていうの?」と、知らないことはよくネイティブに
尋ねたりしたが、中学に入るまでは「笑われる、恥ずかしい」と
話すことはあまりなかった。
しかし、中学に入学した頃から、間違わなければうまくならないと開き直り、
積極的に会話するようになったそうです。

この会話が流暢にできるレベルというのは、
日本語で日常的に話す内容を、そのまま学習している
外国語に置き換えた時のレベルです。

もちろん、彼女は小学生であったため、言語を習得する臨界期を
越えておらす、耳からのインプットで、自分なりの文法世界を
構築することができ、中国語を理解することができたのでしょう。

 

英語を自然に習得できるか?

この時期を越えた大人の場合に、自然な習得というのは
例がまずありません。

私も第2言語習得論をかなり勉強し、論文を読みまくりましたが、
言語習得の臨界期説はかなり強力で、裏づけデータも豊富であると
感じました。

つまり、中学生頃より勉強を始めるには、文法の勉強抜きでは
話にならない、ということです。

先ほどちらっと述べた内容とダブりますが、
具体的には、中学レベル+高校初級文法を土台として、
それに自分が普段使っている語彙を乗っけて話すという練習が
話す(使える)英語を作っていきます。

たとえば、
「~すぎて・・・できない」という表現を表す
too … to … という言い方がありますね。

「疲れすぎて勉強できなかったよ」

「難しくってわからんかった」など。

I was too tired to study.
It was too hard to understand.

こういうカンタンな構文にドンドン自分の言いたいことを
あてはめていけば、日常会話はかなり話せるようになります。

始めは構文を意識して、単語を入れて、とする必要があります。
しかし、慣れてくると意識せずに話せるようになります。
こういった構文を「知っている」のではなく、使いこなせるようになれば
今までの、英語が話せないというフラストレーションからは解放されるでしょう。

どうしてあんなに難しい英文を読みこなす受験英語をくぐり抜けてきたのに
話せないのか? 知っているだけで使う(話す)練習をしなかったからです。
ですから、逆にしっかり大学受験した人は、海外に行き話す機会が増えれば
いやでも知ってる構文に単語を乗っけて話すようになります。
これを日々繰り返すので話せるようになっていきます。

まとめとしては、

中学英語+高校初級文法の構文を使いまわせるようにする。

そうすると、英語は話せるようになります。

頑張ってください。

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