英語のスピーキングは独学では上達しないと思っている人が多い。
大きな間違いだ。むしろスピーキングは独学でこそ学べる。
その最良の方法は、独り言だ。
英語のスピーキング上達には受け身の姿勢ではだめだ。
スピーキングを含めて英語を学ぶのは、いまや世界の常識で、どこの国にいっても英語熱は高い。
その中で、学習時間と比較すると、日本人の上達度が遅いのは
やはり気になるところ。
日本語と英語の言語の構造による違いの大きさもさることながら、私は、
英語学習時間における純粋な英語の割合が低いこと、受け身の姿勢 が日本人を英語ベタにしていると思っている。
学習中の純粋な英語の割合があまりにも低い。
英語スピーキングにの上達には受け身の学習はマイナス
日本での英語学習は、スピーキングだけでなく全般に英語の密度が低い。
手元にある英語教材を見てもらえばすぐにわかる。
英語原文に対して日本語訳がついていれば、それで5割対5割。
そこにさらに、説明が日本語で書いてあって、さらに語句の解説が
日本語で書いてあって、さらに文法が日本語で・・・
結局英語学習本と言いながら英語の割合は1割あるかないか。残りは全部日本語だ。
60分学習すれば、45分は日本語で内容を読んでいることになる。
当然頭の中は完全に日本語モード。
英語で考えて英語学習をしている人は、まずいない。
日本語で何かを学習しているときは頭の中で次のように自問自答しながら教科書を読み進めるはずだ。
「「根幹」って意味わからないぞ。なんだこれ?もう一回少しさかのぼって読んでみるかな?それでもわからなかったら辞書で調べるか。」
頭の中が英語モードであれば、このような自問自答も英語モードになっている。
次のようにだ。
“What is “stump”? I don’t understand the word “stump”.
What should I do? Well, I’m going to read this part again
and if I still don’t understand the meaning of the word,
then I will consult my dictionaries.”
こんな風に自分の頭の中で自分自身と英語でやりとりしながら英語を学習していくのが望ましいだろう。
しかし、私たちの英語学習はこのように頭を英語モードにしているわけではない。
普通の日本人が英語を学ぶ方法は、英語の教科書で日本語の解説を読み、日本語訳を読み、それで英語がわかったつもりになる。
英語の勉強と称しながら、日本語の勉強をしているのと変わらない。
日本語で英語を勉強するのを否定するわけではないが、学習時間の9割が日本語の解説だったら英語を学習しているとは言えないだろう。
初級者は、ある程度日本語の補助が必要だろうが、まさかオバマの
演説を聴こうとする人が初級者とは思えない。
それなのに、 である。
受け身の学習法の真逆は、
能動的英語学習法である。
能動的英語学習法は、次の記事でも紹介しています。
能動的に英語を自分で作る
能動的にエイゴをクリエイトすれば英語は話せる
英語でのスピーキングは積極的に練習してこそ上達する。
自ら話さなければ英語に限らずスピーキングが上達することはない。
なぜなら、語学は教えてもらうのでは上達しないからだ。
授業を「受ける」というのは、もう、受け身の姿勢の表れの
ような気がするが、ずーっと黙って授業を受けるだけでは
語学は伸びない。
それに引き換え、同じ時間でも、中国人の方々は、非常に
活発に発言する。
下手な英語でもどんどん発言し、間違いをどんどん修正して、
次の間違いへと進んでいく。
まるで、ブルドーザーが通っていくみたいで、一緒に授業を「受ける」身としては、有難くはないが、彼らは英語を身につけていく。
英語スピーキング上達のハードル:独り言練習で恥ずかしさを乗り越えろ
恥ずかしいから英語でのスピーキングの練習はしたくない。しかし練習しなければスピーキングは上達しない。
このジレンマをどう乗り越えるか。
もう一つは、面倒くさい。積極的になるなんて、面倒くさいという理由。
これは、英語を今はやめたほうがいい。英語が面白いかな、と
思ったときに再開したほうが効率的だ。
英語スピーキングの練習が恥ずかしい場合、
これには、バッチリ対処法がある。
独り言、talk to yourself だ。
これは、[英語の時間]をものすごく増やしてくれて、間違っても何度でもいい直しができる。しかもお金がかからない。
もし、日本人が全員、talk to yourself の方法に目覚めたら、
英会話スクールは確実につぶれる。
なぜなら、英語のスピーキングの上達にはtalk to yourself は 「異常に」効果があるからだ。
英語力がつき、スピーキングも上達して来ると、ボーっとしているときに、自然に英語が頭に流れてくる。
英語を無意識に扱える状態といっていいが、talk to yourself はその状態にもっていってくれる。
その状態になるまで、とにかく、独り言をどんどん英語でいう。
「今日昼何にしようかなあ」
「この間はここで定食たべたから今日は他のものがいいなあ。」
英語で言えなければいえるところだけ。
“What am I going to have for lunch? I ate 定食って?
Well, I want to have anything but 定食 today.”
こんな風にいえるトコだけ言えばいい。多少間違っても言うことだ。
(間違えなければ絶対に英語は上達しない!)
これを続けると、「いえないこと」が浮き彫りになり、いずれ
調べることになる。そうすれば、今度は言えることになる。
「おお、ここのパスタ、結構いける!
割と値段も良心的だしナア。 また来よっ!」
英語でいうと・・・どうでしょう? 試してみてください!
結構いける、つまりおいしいってことだな。
これって、good でいいかなあ?
=>はい、いいんです。自分でできる英語でどんどんいうことが
何より大事。完璧な英語を目指さず、どんどん英語を
言うことを目指す! これが近道。
英語教材をスピーキング対策として徹底的に活用しろ
英語のスピーキング用の教材である必要はない。日本語の訳がついている教材ならば何でもいい。ただし良質な教材に限る。
英語教材の日本語訳に注目してほしい。あなたは英語学習では、英語=>日本語の順番が定番になっているはずだ。しかし、スピーキングの練習には、日本語=>英語がとても効果がある。
一つ注意点がある。日本語を読んだ後に、自分なりにそれを英訳してほしい。つまり、日本語を読んですぐにそれに対応する英語を読むのではなくて、日本語を読んだらそのあとに自分で考えた英語を口頭で言ってみてほしいのだ。
英語スピーキングを自主的に行うテストだと思え
目の前の日本語を即座に英語にするのは、かなり高度な能力が必要だ。
そのため、あなたがこの練習を始めたときに全く英語が口から出てこないとうい減少に悩まされることになるだろう。
それでも、落ち込むことはない。これはただの自主テストなのだ。自主テストなのだから誰にも知られることはない。そして英語をスピーキングを訓練している身なのだからできなくて当たり前。これからどんどん上昇して言うのだから。
英語スピーキングの練習にはiphoneなどのスマホの定番アプリを徹底活用しろ
英語スピーキングの上達のため、練習で絶対に抑えてほしいのは、自分の声の録音だ。今ならスマホのアプリを使えば簡単にできる。定番の音声録音アプリで十分だ。このアプリを使って自分の音声を録音して、自分がどんな声や発音で英語を話しているか確認してほしい。
このわずかな手間によって、スピーキングの能力向上に、英語リズムや発音の練習も加えることができる。
なんでもいいから、頭に思ったことをどんどん英語で言ってみる。それが上達のための近道
周りに人がいないときは、英語でスピーキングの練習をする絶好の機会。
murmur under your breath ブツブツと独り言を。
もし、誰かがいて気になるようだったら、声に出す必要はない。
心の声で英語で独り言を言えばいい。
親と一緒にアメリカへ連れて行かれて、しばらく経っても少しも英語を話さない子供がいた。
親が大変心配して、しばらく様子をみてそれでも英語が話せないようなら日本に帰国しようと相談している矢先、その子が急に、しかも堰を切ったようにペラペラと英語を話し始めた。
その子は表面上は英語を話していなかったが、心の声で話していた。
あなたも普段心の中でああだこうだといろいろ独り言を言ってるはず。
英語ができるようになると、これが時として英語になる。
英語モードの頭になっている時は、英語になる。
初級者の方は意識的にこの英語モードを作って行けば、英語は早く上達する。その方法が独り言。
独り言でのスピーキング法は次の記事も参考にしてください。
アメリカ人もビックリ。スピーキング効果
ニューズウィーク特集。どうやって英語力を伸ばすか