英語のリスニングは、日本人にとってかなり難しい。
これは、日本語の音にない音が英語にはあるという
ことだけでなく、これから書く、音が変化することに
一番原因があるだろう。
イタリア語を教えているイタリア人に聞いたが、
日本人はイタリア語のリスニングは苦労しないそうだ。
なぜなら、イタリア語の音声は、大体ローマ字どおり
でOK。(ローマ字というくらいだから)。
ところが、英語は、
What can I do for you? という簡単な英語だけでも、
ナマ英語に触れる経験の少ない人には難しい。
これを、教科書+日本人発音のように、
“ホワット キャン アイ ドュ フォ ユー ?”といってくれる
アメリカ人はゼロといってもいい。
でも、日本人の頭には、この発音がこびりついている。
そうすると、いくら聞いたって、思っている音の通りに
聞こえてこないんだから、聞き取りができるはずがない。
これを克服するために、1000時間リスニングするとか、
起きている間中CNN放送をつけっぱなしにするとか、
スポ根ののりでリスニング力をつける方法が流行っている。
でも、私は、大人の知恵を使って、もっと効率よく身につけたほうがいいんじゃないかと思う。
たとえば、
What can I do for you? であれば、
教科書的な発音から、
アメリカ人の標準的な発音 “hワッキャナイドュ フォユ?”
もっとくだけた発音 ”ワキャナdu fォy”
このくらいのレンジに収まる、と初めから頭で理解しておくと、
それは聞こえてくる。
映画を見て、これはこういう風に聞こえる、
あれは、こういう風に聞こえる、とサンプルをノート書きしていくと、
What は、 丁寧な ”フワッt “から、 ”ワッ”くらいしか聞こえないまでの
幅がある、というのがわかる。
そのバラエティは思ったほどには多くない。
1000時間も聞き続けるより、頭を使って このような整理をすれば、
少なくとも10分の1の時間で収まる。
リスニングは根性でなく、大人の知恵を使って身につけるほうが
はるかに合理的だ。