eigoは実践しないといけない、使わないと伸びない、という私の意見に対し
「じゃあ、勉強ゼロでも英語は上達するのか?」と尋ねる人がいます。
これにははっきりと「NO」と答えざるを得ません。
私のポイントは、
英語に触れずに英語を上達させるのは不可能
ということです。
けれどもそれは、今までのように英語をねじり鉢巻をして受験勉強しなくて
はいけない、ということでもない、ということです。
英語を「試験」と勘違いして、何度もTOEICなどの試験を受けてスコア
アップするごとに喜ぶ人もいると思いますが、これは本末転倒ではないでし
ょうか?
数学で新しい理論を提唱してノーベル賞をとることはあるでしょうが、
TOEICでいくらよいスコアをだしても、せいぜい履歴書に書くことがで
きるくらいでしょう。つまり英語は頭脳の明晰さを競うようなシロモノでは
なくて、もっとカンタンなコミュニケーションのツールだと思います。
だから本来ならば、普段の生活や仕事で英語を使って英語に接するのが自然
な方法でしょう。私は、あなたにそのような英語を身に付けて、仕事や生活
でどんどん英語が使えるようになってほしいと願っています。そうすれば、
自然と英語が上昇気流に乗っていきます。
そしてこの方法は、
今までのねじり鉢巻の英語学習法
に比べると、カンタン
に実現することができるのです。
「多くの人の誤解、英語はすべて聞こえないと理解できない」
英語を学習してきた人に多いのですが、英語を何か与えると、シラミつぶし
に全部調べないと気がすまない人。これは英語上達には障害なんです。
なぜならば、英語のベースはとてつもなく広い。だから今日使われた単語に、
あなたが生きている間にもう一度お目にかかる可能性は100%ではない。
映画を観ていても、あまり使われないフレーズだって入ってくる。それを全
部覚えようとする努力は、それほど意味が無いのです。それよりも推測能力
のほうが重要なのです。推測能力というのはどういうのかというと、たとえ
ば英語を聞いていて、ほとんどの場合、飛び飛びにしか耳に入ってこない。
次のような文章がある場合、
“So far, it seems to be working.”
実際には
“So f , t ms b kin .”
ぐらいにしか聞こえない。
でも、だんだんとこれが
“So f r, t seems b w kin .”
となり、
“So f r, it seems b w rkin .”
となって、明確になっていく。
この過程が英語上達にはとても重要なのです。
これは、しらみつぶしに英語辞書を引いて単語を調べるのとは全く違う方法
です。
しかし、この方が確実に英語を聞き取る力が上達する。
英語を聞き取ることができなければ、話すこともできないので、この聞き取り
レベルの向上が、あなたの英語上達の要になるのです。
この方法を取り入れていくと、
英語がそのまま音として捉えることができるようになっていき、
聞き取りレベ
ルが確実に向上していくのです。
この方法の根本となるのは、英語はアタマから語順どおりにすべて聞き取れる
ことはないと断言していることです。
普通は、アタマからしらみつぶしにみていきましょう、と聞き取り勉強するで
しょうが、実践で語順どおりすべて聞き取れるワケがないがないと前提してい
るのです。
だから、聞き取れるところが飛び飛びになってしまう。聞こえやす
いところと聞こえにくいところがあって、聞こえやすいところの個所をどんど
ん増やしていくことで、虫食い状態になっている聞こえにくいところをだんだ
ん少なくしていく。こうすることで聞こえないところを「推測」する力もつい
てくるのです。はじめから聞こえないところは放っておきましょう、という
スタンスです。
これを身につけることで、本物の英語力が身についてくる。
だから
語学上達のステップである、
1. 単に音として捉える(Sensing)
2. 話の内容を理解する(Interpreting)
3. 話の内容を自分になりに解釈する段階(Evaluating)
4. 話の内容に対して反応する(Responding)
の1の段階がすんなりとクリアできるようになってくるのです。
この1の段階で、英語が70%聞き取れるようになってくると、
2の段階も同時に上達してくるので、どんどんと上昇気流に
乗っていく。
最終的には総合的な英語力が身について、英語を学習するのではなく
普段英語に接していきながら英語がますます磨かれていくように
なるのです。
こうなってくるとあなたにとって、英語はツール(道具)になってきます。
いち早く情報が知りたいから、CNNでナマの英語を聞いたり、字幕を
みるよりもナマ英語のままの方が感動できるから映画を字幕ナシで観たり
するようになってくるのです。
英語をコミュニケーションの道具として使っていけば、あなたの仕事や
趣味が見違えるほど広がっていきます。