感覚で身につく日常的な英語

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アメリカなどに住んでいると、日本ではなかなか身につかない良い点がある。

 

それは、感覚で英語を習得していけることだ。

日本ではどうしても英語となると、勉強してしまう。

日常的に英語を使わないから、ある意味でしょうがないとは思うが、そればかりだと
つまらなくなってしまう。

言葉は学問でなく、コミュニケーションのツールというのが私の考えなので、できる
だけ楽しく英語に接した方が、効果はあると思っていし、そのほうが持続もする。

たとえば、今夏にアメリカのサマーキャンプに娘を通わせたときのこと。

「明日はwacky hair の日だからみんなwackyにしてきてね。」

と帰りがけにインスト
ラクターのお姉さんが子供たちに話しかけていた。

wacky というのは、辞書を引くと、 「気違いじみた」 というような意味がでてく
るが、実際にwackyなヘアスタイルにした子供たちやインストラクターを翌日 目の
当たりにすると、「あ、これね」と一発で分かってしまう。
みんな、頭にいろんな色のスプレーをつけたり、鉄腕アトムみたいに髪の毛を固めて
とんがらせたり、赤 青 黄色 の原色の髪留めを着けてきたり。

wacky という単語が、これで日本語を介さずに、英語のまま”wacky”として頭にイ メージされる。 wacky っていったら、風変わりだけど、ちょっと楽しい程度、というような加減もよ くわかる。 こういったニュアンスは、なかなか辞書では身につかない。

今後この単語に出くわしたら、”wachy”=「気違いじみた」とはならない。 あの
“wacky”ね、と英語のまま理解できてしまう。

大学院に通っていた頃によく、ランチの時間にグループのミーティングやら どこか
の研究会の発表会なんかがあるのだが、チラシには、”brown bag 持参でね”と書い
てある。

このbrown bag というのは、直訳は茶色い袋、むかし八百屋などで買い物をすると、
バナナなどを入れてくれたあの袋のことだ。

この場合は、ランチを入れる袋 のことを指す。つまり、”ランチ持参で来てね”と言 う意味になる。

実際に現地に住んでみると、こういった英語教材や学校では得られない、面白い英語
に接することができる。

そして体験して身についた英語表現は、日本語をとおりこして、英語のまま自分のも
のになる。
 

頭でっかちの英語ばかり勉強してると息がつまってしまうが、映画なんかをみなが ら、このような日常的な英語に接するのは非常に楽しい。

 

 

このような日常に根付いた表現というのは、私たちはあまり接していなかったためか

えって難しい場合もある。子供の絵本などを読んでいると擬態語などがよくでてくる
が、これらは日本の英語教育の範囲外だ。5歳の子供がよく知っていることばを、国
際会議で英語を使っている日本人がしらないなんてことはザラにある。

 

 

「英語はビジネスのときだけ必要」と割り切っていつも硬い話にしか興味のない人は 例外だが、国際会議だろうが、ビジネスミーティングだろうが、潤滑油となる軽い チャットは必要だ。

 

 

アメリカで仕事をはじめた最初の1年間、上司に言われたことは、「経営分
析や議論などは今の調子でいいと思うけど、たまに野球の話とか軽い話題をだして、
ミーティングを盛り上げながらリードしてほしい」といわれたことがある。

いままでは、ビジネスの範囲だけに集中していたからよかったが、軽い話題をみんな
に提供するとなると、守備範囲をかなり広くしないといけない。最初は大変だな、な
どと考えていたけど、同僚に相談したら、「カンタンだよ。遊んでればいいんだよ。

 

そうしたら自然にいろんな話題を提供できるようになる」とアッサリ。

 

 

同僚の言葉を信じてそれからは、アメリカでもかなり積極的に「遊び」の部分の時間
を増やしたら、そういった経験が楽しい話題となっていった。経験済みの言葉だか
ら、もちろん自分の言葉としてドンドン使っていけるものが増大していった。

日本でも、朝は英字新聞を読んでちょっと硬い英語、帰宅後はナマ英語がふんだんに
身につく映画などでくつろぐ、
週末にまとまった時間のあるときは、専門の英語原書に挑戦し、息抜きに推理小説を

ペーパーバックで読む、などと、硬い英語・柔らかく楽しい英語を織り交ぜて生活に とり入れてみるとメリハリができて楽しくなってくる。

 

 

また、このくらいのレベルになるのはそう難しくない。

 

いったん英語力がこの程度になると、アトは楽しみながら英語力はドンドンついてく
る。

英語を勉強していないのに、英語が上達していくので、これ以上うれしいことはな
い。

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