あなたには、日本語を作る回路が出来上がっている。
何十年もの間、日本語の環境の中で生活していれば、
否が応でも、状況を言葉に置き換えて理解している。
そのため、たとえ英文を読んだ時でも、
無意識のうちに、日本語を作ってしまう。
Stop your complaining. という英語を見ると、「不明不満を言うのはやめろ」
という[日本語]を作ってしまうのだ。
しかし、日本語だけの環境だったら、どうだろうか?
普段生活している日本語の環境。
この慣れている環境で、日本語で「不平不満を言うのはやめろ」という言葉に
接したら、文字面を理解するのでなく、イメージが立たないだろうか?
誰かが怒っていて、居心地の悪いような気分。
「不明不満を言うのはやめろ」という文を、もし小説で読んだなら、
誰かが怒鳴っているイメージがわかないだろうか?
「不明不満を言うのはやめろ」=> 誰かが怒っているイメージ
が浮かぶのに、
Stop your complaining.
を見ても、イメージが湧かずに
機械的に「不明不満を言うのはやめろ」という日本語を「作ってしまう」のだ。
これはある意味仕方がない。
30歳の人は、30年 日本で生活している。
その間、日本語を作るという訓練をしてきたようなものだからだ。
脳は自然に、無意識のうちに日本語を作ってしまう。
しかし、英語を上達させるためには、それではまずい。
この克服法は、次のようにすることだ。
「不明不満を言うのはやめろ」と誰かが怒っているイメージに
相当する英語は何か?
それは、
Stop your complaining. になる。
次に、
[誰かが怒っているイメージ = Stop your complaining. ] のように結びつける。
つまり、今までとは逆にすること(英=>日 でなく 日=>英)で、
脳が「日本語を無意識に作ってしまうのを防ぐ。」のだ。
1)日本語によってまず、イメージを立てる。
2)そのイメージに合う英語とは何か?
3)そして、そのイメージに合致した英語を読んだり聞いたりする。
4)その英文を文法的にも納得できるようにする。
これを繰り返すと、
Stop your complaining. = 怒鳴っている人のイメージ が浮かぶようになる。
「不明不満を言うのはやめろ」=> 誰かが怒っているイメージ
と同様、
Stop your complaining. => 誰かが怒っているイメージ
ができるようになる。
日本語と英語で同じ回路が出来上がることになる。
[日本語でAを読む・聞く] =>Aに該当するイメージが浮かぶ。
[英語でAを読む・聞く] =>Aに該当するイメージが浮かぶ。
脳が無意識に日本語を作ることをあらかじめ防ぐには、まず日本語から入ってしまう。
しょっぱなから日本語が与えられているので、もう日本語を作る必要もない。
日本語が与えられると、あなたはその日本語に対応するイメージを
無意識に浮かべている。
そしてイメージが浮かんでいる状態で、「それに見合う英語は何か?」というタイミングで、英語を与える。
この方法は、単語を増強するときも同じように使える。
普通は、英単語=>日本語の意味 と覚えるが、これは効率が悪い。
最初に英単語を見たときに、その単語はあなたにとっては未知のものだからだ。
う~ん、と唸りながら、機械的に覚えた日本語を思い出そうと苦労するだけだ。
初級者は、日本語訳=>英単語のほうが覚えやすい。
最初に、日本語訳を見れば、それは何十年もあなた馴染みの
ある言葉だから、いろんなイメージが生まれる。
[不明不満を言う]という日本語から、あなたは意識せずとも
不明不満を言う上司や 愚痴っぽいオバサンなど、何らかのイメージを浮かべる。
その段階で、それに見合う 英単語 complain を ポンと与えてあげればよい。
これを繰り返せば、
次第に、 日本語訳=>英単語 から、
イメージ=> 英単語 へ移行していくようになる。
不平不満を言う => そのイメージ => complain だったのが、
次第に イメージ(例えば愚痴ってるオバサン) => complain
となっていく。