英文法というと眉をひそめる方も多くいるでしょう。
高校の英語の授業で、「副詞節が・・・」という先生の説明に、
私も頭がぼんやりした一人です。
日本語だって、サ行変格活用なんて知らなくたって、
立派に日本語を話しているわけですから。
しかし、文法を別の角度から見ると、面白いことがわかります。
結局 まず文法があって、言葉が発展したわけでない。
いろんな実際に話したり書かれている言葉をたくさん集めて、
それを分類してみたら、共通点が結構あることがわかった。
その共通点の寄せ集めが文法と考えると、結構文法は
役立つ(話す時や書くときは特に)ことがわかると思います。
こういった視点で考えると、文法書は読むよりも、
実際に書かれている用例を体になじませ、自分でも
表現してみる(書いたり、話したり)するのが一番有効な
文法書の使い方になるかと思います。
しかし、それも結構、眠くなってしまう・・・という人も多いでしょう。
そこで、お勧めなのが、実際の映画や小説などを、文法の用例として使ってみるということです。
たとえば、先週ご案内した映画「ボディガード」
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冒頭は次の英語で始まります。
“How did you know?” どうしてわかったんだ?
“They don’t wash cars on the parking levels.”
普段は、駐車場では洗車してないですから。
ここで、時制(今とか過去のこととか)に注目してみます。
聞き手は、過去形で
“How did you know?” と尋ねています。
ところが、返事は、
“They don’t wash cars on the parking levels.”
と
現在形になっていますね。
これは、次のようなことばが省略されていることがわかります。
「駐車場で洗車しているのを見つけたからだ。」
これを挿入してみると、
「どうしてわかったんだ。」
「駐車場で洗車しているのを見つけたからだ。
普段は駐車場では洗車はしない。」
となるわけです。
そうすると、
“They don’t wash cars on the parking levels.”
が現在形で表現されている。
ということは、これは、日常の習慣 として、
「普段は駐車場では洗車しない」と捉えることができます。
ここから、
現在形というのは、「日常の習慣」を表す表現であることが
わかり、
初級の日本人学習者が混同してしまう現在進行形 (今 洗車をしている)との区別ができるわけです。
(*例外として、現在進行形で本来表す表現を、現在形で
表すこともあります。例えばスポーツの実況中継など。)
Do you smoke? とタバコを吸っている人に聞かれて
「あ、こりゃどうも」と答えるつもりで Thank you. というと
「意味通じない」となってしまいます。
尋ねた人はあくまで「あなたは喫煙者?」というつもりで尋ねているから、という勘違いは結構ありそうです。
こうやって、映画、もちろん小説から英語の構造(英文法)に
アプローチしていくのも、面白いですよ。