では、前号で説明したことをもとに、実際にエイゴを能動的に作ってみよう。
I love tea.
この文をあなたの独創で長くしていくのだ。
tea にはいろんな種類があるから、これにまず注目してみる。
そうすると、
English tea
といえる。それから熱い hot を
付加えれば、
hot English tea
になる。
さらに、「一杯の」を付加えれば、 a cup of だ。
ここだけで、
I love a cup of hot English tea.
に拡張できる。
「好き」というのを、「飲むのが好き」という表現にすれば、
I love to drink a cup of hot English tea. になる。
ここで、もう少し考えをめぐらせてみる。
日本では、「飲む」のかわりに「すする」という言い方もできる。
英語ではどうだろうか?
もし、 sip を知っていれば、drink の代わりにsip を使うだろう。
I love to sip a cup of hot English tea.
もし、「家内と一緒に飲む紅茶がおいしいんだよ」という表現が
いえるならば、
I love to drink a cup of hot English tea with my wife.
と付加える。
「寝る前の紅茶がおいしいのさ」と「寝る前」に飲む紅茶という表現もつけくわえることができるだろうか?
before going to bed を思いついたら、それを文に入れ込んでみる。
I love to drink a cup of hot English tea with my wife before going to bed.
どうだろうか?
自分で創ってみた英語は、次のように進化した。
【最初のエイゴ】: I love tea.
【クリエイトしたエイゴ】:
I love to drink a cup of hot English tea with my wife before going to bed.
ここからさらに次のように表現を変えることもできる。
「家内と一緒」=> 「友人と一緒」
「寝る前」=>「朝起きてすぐ」「朝食を食べながら」
「紅茶」=>「砂糖がたくさん入った紅茶」「高価な紅茶」
こんな風に表現をドンドン入れ替えたり、付け足したりする。
もし、この「能動的な方法で」英会話を学習していると、従来の受身的な学習だけの場合に比べて、はるかに英会話は進歩する。
単語帳で難しい単語を暗記するよりも、このクリエイトする学習法は、
はるかに実践的、効果もすぐあらわれるし、何より面白い。
「紅茶にブランデーをちょこっとたらして」などと、自分でいろんな表現が
工夫できるからだ。もちろん全部英語にすぐ組み立てられるわけではないが
繰り返しやっているうちに、確実に、より高度な英会話表現を自分で創っていける
ようになる。
こうなると、話せないということはありえなくなる。
なぜなら、この英語をクリエイトする作業を早くすれば口頭で話すことにつながるし、
このクリエイトする練習をしていると、英会話はスラスラと書けるし言えるようになって
いるからだ。