まあ、本音を言ってしまうと、英語習得はやっぱり現地で、ということですね。
この前のブログをこんな調子で終えたので、「苦情」をいくつかいただいた。
苦情 というか、苦しい立場。
じゃあ、日本にいるんでは、英語は上達しないということか?
いえいえ、本題はここから。
不利な立場でも、英語の上達は可能です。
英語の上達には段階があること。
これも認識すること。
段階とは、英語に限らずだが、言語はもともとコミュニケーションの道具。
コミュニケーションの原始的な形は会話。
だから、言葉も
会話からはじまって、書き言葉へとだんだんと難しくなっていく。
最初にカンタンな会話をおさえてしまうと、その後の
リーディング、ライティングはかなスムーズにできるようになる。
もう一つ、日本人が英語を習得していく上で気をつけるべきはリスニング。
これは、音の聞き取りが英語に慣れていないとできないから。
その大きな理由は、リエゾン。これは、 I got to が「アイ ゴット ツー」でなく、
「アイガッ」と聞こえるなど、音が単語ごとでなく、連続して聞こえること。
昔、英語が聞き取れないのは、日本語と周波数が違うから、とか何とか
いって、機械みたいなもので、英語の周波数に耳をあわせる、というような
ものがあったらしいが、たかが英語なのであんまり難しく考えないほうがいい。
要は、リエゾンで聞き取りにくい音がこれとこれ。特に日本人はこういった音が
聞き取りにくいね、というのを大体20くらいおさえておけば、あとはその応用で
英語も聞き取りできるようになる。
さて、日本で英語が使えるレベルになるにはどのようなステップをすればいいか?
まず、基本は中学レベルの英語。このレベルの力は絶対に欲しい。
英語は耳からだから、とか学校教科書は古臭いなどと言い訳無用。
日本の中学レベルの英語ができないアメリカ人は存在しない。
同じく中学レベルの英語ができない日本人の英語プロもいない。
問答無用でこのレベルはクリアする。
次に、リスニング。これは英語を聞きまくり、さらにその検証。
一回聞いて終わりだと英語力は伸びない。
聞けない部分はいつまで経っても聞けないからだ。
なので、繰り返し聞けて、さらに英語原文と照らしあわすことができるほうがいい。
独学で、DVDを使って映画英語を習得する場合も同じ。英語字幕にははしょってい
て 実際の音声と違う場合もあるので注意。
次にリーディング。
リーディングは、ホンモノの英語力を養成する要。
英会話だけでは、「あの日本人は英語がわかる」のレベルだが、
リーディングで培った語彙や言い回し、さらには思想や主張を英語で表現できると
「あいつは教養人だ」といわれる。これは、自分たちと同じ土俵で英語をしゃべり、
さらに一般レベルよりも高い知識人、と見られるレベル。
ここで、はじめて 日本を代表する教養人として、意見も求められるようになる。
アメリカ人でも 日本に興味のあるやつは結構いて、日本の文学(特に源氏物語などの古典や
芥川龍之介などの純文学、最近では村上春樹を英文訳で読んでいる欧米人がとても多い)や
日本人の元来の思想(土着の宗教観とか)などを聞かれることがある。
日本のことを英語で表現できないと、いくら一般会話ができても「こいつは教養なし」と思われる。
こういったレベルの言語を駆使するためには、日本のことを知っていることはもちろんだが、
英語で彼らの思想や考えを知っておくことも必要だ。その対比により日本の特徴をはっきりさせることが
できるからだ。
なので、ディケンズやサリンジャーなどの文学などを読みこなし、
それらの英語、それから考えを吸収する。そのためにリーディングは不可欠。
リーディングをする場合には、英語習得も合わせておこなうのならば、早くたくさん読むよりも、
一冊をいろんな技法を使って読むほうが英語力は身に付くし、内容理解も深くなる。
私が今でもやっている方法は、
まず一冊を読みきる。
次に細かく内容を見ていく。
3ページくらいを選んで、
通しで音読
オーディオブックでリスニング
書き写し (原文をみないで、アタマの中から英語を書き出す)
単語の確認 (英英辞典で調べ、英英辞典の例文も書き出す)
これで洋書一冊をフルに活用する。
一冊やり終えると、たとえば洋書500ページくらいだと、15万語くらいだが、その内容はすべて
アタマに入っていると感じる。
こうやって、蓄えた英語は、会話の時にスラスラ出てくる。しかもレベルの高い書物からの
引用だと、会話に幅ができて非常に役立つ。
私が知っている英語同時通訳者は、新聞のコラムを使ってほぼ同じことをやっていることを知った。
マークトウェイン、不思議の国のアリス、など児童文学のレベルから始めても、非常に効果がある。
速読+精読+リスニング+音読+書き写し 単純な基本的な方法こそ、英語力を伸ばす近道!