日本で英語を習得するのは、難しくない。
英語を学習できる機会は豊富にあるし、英語力を伸ばそうと
思えば、意外とカンタンにできる。
でも、海外で英語を伸ばすメリットももちろんある。
それは、言葉の持つ特質だが、語感が磨かれること。
特にコミュニケーションの70%以上を占める日常会話では、
やはり現地で実践に揉まれると、本当に身につく。
自分が英語ができなくて、嫌な悲しい思いをしたり、
何とか英語でしゃべんなきゃ、という強烈な感情が
結びつくから、論理抜きで英語を学べる。
まあ、大変な思いをした分、それだけ身につくということでしょう。
帰国子女の人でも、日本に帰ってからも英語を怠らずに学習し続け
その後再び米国の大学へ進学という人でも、まだ幼い頃いきなり
海外へ連れて行かれて、小学校に入れられた当初のことをはっきり
覚えているひとが、驚くほど多い。
かなり英語ができるようになってからのことよりも、英語ができない、
惨めな思いをした時のほうが印象に残っている
というのは、やっぱりそのときの感情に強く結びついているのだろう。
三つ子の魂百まで、というけれど、英語もやっぱり自分の置かれている境遇によって、その上達度は違うようだ。
海外にいると、こういった、どうしても英語を習得しなくちゃ、何もかもが
始まらない、もっと極端にいうと、「何もかもがめちゃくちゃな状態から
抜け出せない」という場合に、英語力が思いっきり伸びるようだ。
大人でいうと、海外駐在員という立場の人よりも、欧米企業に英語圏の
人と同じような条件で仕事をしている人のほうが、英語は伸びるよう。
私は駐在員の経験はなく、友人知人からの話の受け売りになってしまうが、
まあ、日本企業のアメリカ拠点という位置づけだから、日本語と日本人との
密接な結びつきがまず大事。それからできることならば、現地の人たちとの
コミュニケーション。
欧米企業に直接就職すると、まず英語は当たり前。
それから現地の慣習も、知っていて当たり前。
地元野球チームが日曜日に勝ったら、その話題を月曜日に持ち出す、
これ、当たり前。
新しい顧客とあったときの、前座の話題と 本筋の仕事の話題の空気を
読むこと、これ当たり前。
私がいた会社では、”The moment has come.”といって、
マネジメントチームと会議をしているときの、空気の一瞬の緊張を こう読んだ。
重要な決断が下される瞬間の、「間」のことを指していた。
まあ、本音を言ってしまうと、英語習得はやっぱり現地で、ということですね。
日本にいる間に、できるだけ技術的なところ(英語力)を磨き、英語を勉強する
から、英語でイギリス人の気質を読み取る(ディケンズの小説を読んだり)ことや、
会話の雰囲気から、持ち出していい話やいけない話(宗教の話など)を読むことを
映画やテレビドラマ(ホワイトハウスなど)から学んでいくといいかもしれない。