「日本人の英語は、抑揚が少ないから聞き取りにくい、もっとハッキリと発音してく
れると結構わかるんだけどね。」
先日日本にビジネス交渉のために来日した日系アメリカ人の友人から聞いた話。
ビジネスの場で、結構英語を使える人がかなり増えてきているようだ。
この日系アメリカ人の友人も日米どちらもOKというタイプ。
ただし圧倒的に英語のほ
うが達者なため、そして文書がすべて英語で用意されているため、日本でのビジネスもほとんど英語という。
実用レベルで英語を使える人が増えてきていることには、「ほんとにビジネスにはか
なりプラス。最近はそのレベルもかなり高い人もいるから、僕みたいに英語・日本語
両方できます、くらいじゃあ優位性はなくなっちゃった。」と苦笑いをしていた。
米国で弁護士の資格を有している有能な彼独自の謙遜だろうが、やはり英語でビジネスをおこなう機会は非常に増えてきているように感じる。
受講生の方々からもおたよりをいただくが、会議が英語、海外とのやりとりはすべて
英語、周りが英語ネイティブばっかり、などなど、だんだんと英語環境になってきて
いるようだ。
以前私が勤めていた外資系の会社では、社長以下約6人程度のマネジメントチームが
いて(うち社長を含めて4人が英国・米国人)、約200名の社員からはその一角が外人
島と呼ばれていた。
しかし、いまでは約10人程度が各部門を統括し、その10人はマネジメントチームと毎日のように、英語で会議をおこない、海外の関連部署とやり取りをおこなっている。
日本で英語を学んでいるとどうしても、気後れして発言がもごもごしてしまう。
よく見られるのが、何も言わない、人たちだ。
これは欧米人には全く理解できないらしい。言い方をかえると、「せっかくよい意見
や案を持っているのに何も言わないのはもったいない」、「よい案を皆に提供しない
のは会社に貢献していないことになる」という過激意見まででてくる。
かなり込み入った話は別として、通常のビジネスで使う英語っていうのは、実はそん
なに難しくない。
なぜなら、
*話を補助する資料を参照できる
*話の方向性が決まっている。
だから、新商品開発にあたり原料を提供してくれる企業3社を比較評価します、とい
う話のときに全く脱線することはすくない。
(会議のレベルが上がってくると、脱線が多い!!
マネジメントの連中はジョーク
好き! だから話がよく脱線する。これは中堅のほうが、真面目に仕事一途というこ
とでしょうか??)
脱線が少ない会話は、話の方向性が分かっているので英語としてはラクだ。
だから、通常業務の英語というのは、それほど難しくない。
しかも日本人というのは優秀で、あらかじめよい案を持っている。几帳面に今後の評
価ポイントなどを上司に言われなくても自分で作成していることもある。
アメリカ人だったら、おおっぴらにアピールしているところだ。「私はこういった評
価システムを構築しましたから、全社で導入したら会社全体の利益になります」など
と大見得をきったりする。
くだんの日系アメリカ人は、多少英語ができるならば、そういった状況でもっとア ピールしたらよいのに、というのである。
私も同感である。しかし、私は多くの受講生からご質問をいただくから、その苦闘も
よくわかる。
「わかっちゃいるけど、なかなかできない」
英語力がある程度上がってきたレベルで、それを口に出して言えないのは、これはも
う訓練するしかない。
口に出すという行為をしなくては、残念ながら上達しない。
特に考え込んでしまう人は、難しい。「こんなくだらないことを口に出して私に効果
があるのだろうか?」などと思案するタイプ。こういった方は、思案している間にド
ンドン時が過ぎていく。
上達が早いのは、外交的で何でもトライしてみるタイプ。「口に出してみると結構オ
モシロイからしばらくやってみる」というタイプは上達がすこぶる早い。
面倒なことは一切考えない、とにかくやってみる。やってみて効果があればよし、な
ければやり方を変える。
あの手この手を試してみる。こういう正確の人は英語習得がすこぶる早い。
実際にこの手の人をみると、驚くとともにこちらも面白くなる。
「こんな方法がやりやすいと思うんだけど試してみて!」彼らは実験台にもなってく
れる!