帰国子女が教えてくれた英語を理解する方法

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先日帰国子女で、いま外資系企業でバリバリコンサルティングをしている方と久しぶりに食事をしました。

話がちょっと英語のことになったのですが、日本から海外へ何らかの理由で転勤する親についていくと、当然現地学校に入学するのですが、最初は英語が全くわからない。そのため、ほとんどの生徒は、現地にある英語専門学校に通うそうです。これはいわば語学をサポートするようなところで、一般の語学留学に行くような人たちを対象としたものではなく、学校の付属のような施設でおこなうそうです。

そこでは、日常会話を含め、英語ではどう表現するかを、現地の先生が説明してくれるような授業なのだそうです。

それで、そこでセンセイはかなりはっきりと、そしてゆっくりと発音してくれる。ジェスチャーを交えながら話してくれるので、英語の素養が全くない小学生でも、センセイが自分のことを指しながら ”I”といえば、自分のことだとわかるような感じで授業が進んでいくのだそうです。

面白いことを彼女がいってくれたのですが、これは発音を聞き取る練習をするんじゃなくて、言葉として英語を理解できるようにするステップが中心だということです。
つまり、「英語のまま理解する」ことに重点が置かれているというのです。

「英語音に関しては、普段の生活自体が、否応なくもう英語でしょ。

 

友達もネイティブ。センセイもネイティブ。家に帰ってテレビつけても英語。だから英語音という意味では、一日のうち恐ろしいほどの時間、いえすべて英語なわけ。だから英語音は子供だっていうこともあるでしょうけど、自然に耳に伝わってくる。だから英語の学校では、その次の段階、つまり英語のまま理解するというところを集中的にやってるんだと思うわ。」

こういわれて、なるほど、もう英語音が聞き取れるのが前提になっているのか、と思いました。

私たち日本人は、日本語独特の母音しかいつも耳に入っていないから、英語がなかなか聞き取れない。

 

まず、この英語独特の音に耳を慣らす必要があるのです。

 

その理由は、あまりにも英語に接する時間が少ないことと、ネイティブのナチュラル英語を聞き取る機会がさらに少ないためです。これでは英語音を自然に聞き取るには程遠い環境なので、私たち日本に住んでいる日本人は英語音に敏感になり、それを聞き取る力をつける必要があるのです。

ところが、現地の学校にいきなり放り込まれる子供たちは、ネイティブ英語の雨嵐。だから英語音は否応なく耳に入ってくるし、自分で対処しなくては、いつまでたっても生活すらおぼつかなくなってしまうから、毎日苦しみながらも英語音がどんどん自分のものになっていくのでしょう。

このことを考えていくと、私は英語学校、英会話学校は、この現地で教えている英語学校の部分のみをコピーして使っているのではないかと思うようになりました。

 
つまり、現地のノンネイティブを対象にした学校のプログラムをそのまま拝借してしまえばいいんじゃないか、という発想です。

だから、センセイははっきりとした発音をするし、英語の理解のほうに重点が置かれている。

そして、この方法は、お気づきのように、大きな誤りがあるのです。
私たちは英語音を自然に聞き取れるほど、英語には接していない。英語の音をそのまま聞き取る力自体が不足しているのです。

その段階で、次のステップ「英語のまま理解する」に移行しようとしているわけですから、英語学校にいっても効果がでない、というのは必然ではないかと思うのです。

本当は、日本語の5つの母音と、英語の独特の子音やリエゾンが違うことを前提に、英語音の聞き取りをまず重点的に強化しなければ英語は決して「使える」レベルには到達しないのに、これを全く忘れてしまっているわけです。

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