読者の方から、「リーディングに関しては英語上達に役立たないのか?」というご質 問をいただいた。
実は多くの方から、「リーディングは結構得意なんです」というメールをいただいた
ので、「リーディングに関してはあまり触れなくてもよいかな」と思っていた頃も
あった。
リーディングが得意というのは、非常にプラスになる。
なぜならば、言葉の発達を大きく助けるからだ。
先日日経新聞で、日本で4人の子どもに日本語教育を受けさせ、バイリンガルにした
というアメリカ人(奥さんはイギリス人)の大学助教授のコラムを読んだが、その方
もリーディングの必要性を説いている。
日常会話で到達できる会話レベルというのは、実は非常に浅い内容しかない、という のだ。
確かに日常生活で、イラクの情勢について詳しく議論することや、評論に出てくるよ
うな難解な表現を使うことは、あまりない。
これらを補うには読書が何より重要だ、というのだ。
この両親は、子どもに対しては英語を話していたが、いかんせん日常会話レベルの域
をでない。
そこで、多くの書物を読ませることで、英語力を鍛えた、というのだ。
これを読むと、日本の英語教育が読むことに重点をおいているのは、まんざら悪いと
はいえない。
子どもをお持ちの読者の方はご承知の通りだが、子どもの成長をみていると、5,6歳
くらいから本を読む量が多ければ多いほど、飛躍的に日本語の表現力が増してくる。
かなり難しい言葉も、「試しに使ってみる」ことで、辞書を引かずともその原義を自
分のものにしていく。
だから英語の本や雑誌を読むことは多いにお勧めなのだ。
ただ、ここでも気をつけなくてはならないのは、「日本語訳」。
日本語に訳して読んでいったら、英語を読んでいることにはならない。
大抵の人は、英語の文章の後ろまで目でおって、それからもう一度意味を日本語に訳
すという方法をとっていると思う。
しかし、この方法では、英語の上達にはなかなかつながらない。
できるだけ、英語のアタマから、しかも訳さないで理解していくクセを身につける。
このクセはリスニングを強化していけばおのずと身についてくる。
なぜなら、リスニングは時を待たずして ドンドン先へ進んでいってしまうからだ。
だから、リスニングを強化しながら、読書も進めてみると、非常にいい。
日本でもかなり簡単にペーパーバックが手に入るし、原書を英語学習者用にやさしく
書き換えた英語本もある。
これらを使って、自分の興味のある内容から手にとってみると、英語力増強に非常に
役立つ。