英英辞典の使い方
英英辞典の使い方には注意が必要です。英英辞典はあなたの英語力を上達させる、とても安価で信頼のできるパートナーとなります。しかし、あなたの現在の英語レベルが英英辞典を使えるレベルに到達しているかどうかチェックすることをお勧めします。なぜなら、英語力を伴わない状況で英英辞典を使っても効果があまりないからです。もちろん、心配はいりませんよ。次のチェック項目を満たしていれば、十分に英英辞典を使いこなすことができます。
英英辞典の使い方 チェックポイント
英英辞典を効果的に使うために、まず、あなたの英語レベルが次のレベルを満たしているかチェックしてみてください。
- 高校生レベルの英単語力がある(2千語)
- 英検2級に合格する英語力がある
- 英和辞典(ジーニアス英和辞典など)を使って英単語を調べる英語力がある
英英辞典を効果的に使うために必要な英語力その1 :高校生レベルの英単語力
英語学習者用に開発された英英辞典でお勧めできるのは次の2つです。
- ロングマン英英辞典
- オックスフォード英英辞典
それぞれの英英辞典は、英語を母語としない学習者のために開発されていますので、できるだけ簡単に単語を説明するよう工夫されています。
また、英語学習者が知っている英単語の数に限りがあることを理解しています。そのため、
ロングマン英英辞典 2千単語ですべての言葉を説明
オックスフォード 3千単語ですべての言葉を説明
ロングマン英英辞典には、8万語の英単語の載っています。この8万語に及ぶ英単語を、たった2千語で説明しているのです。つまり、2千語の英単語を知っていれば、8万語の英単語の意味を理解することができるようになっているのです。ちなみに2千語というと高校生レベルの英単語力で十分ということになります。
英英辞典を効果的に使うために必要な英語力その2:英検2級
英英辞典が使いこなせるかどうかを図るうえで英検2級がとてもよい指標となります。英検2級の1次試験に合格できるレベルの英語力があるということは、英英辞典を効果的に使うための英単語力と文法力を持ち合わせると言えるからです。もちろん、英検2級の合格点で十分です。満点である必要はありません。
英英辞典を効果的に使うために必要な英語力その3:英和辞典を使いこなす
英英辞典を使いこなすためには、辞書を効率的に引くことができることも重要です。英英辞典を使い始めてしばらくの間は、なかなか辞書に書いてある説明の意味がわからない、ということもあるでしょう。その際に、少なくとも辞書を引くこと自体に抵抗がないと、英英辞典を引くことの抵抗も少なくなります。
それまでのあなたの経験で、英和辞典を何の抵抗もなく引きこなすことができていると、スムーズに英英辞典へ移行することができます。また英英辞典と英和辞典を読み比べることで、英英辞典だけではわからなかった単語の意味をはっきりと理解することができます。
もし、あなたが今まで英和辞典と仲良くしてきたならば、英和辞典を引くために費やしてきた時間は、英英辞典を効率的に引くための先行投資になっているはずです。
この単語力と文法を図るうえで英検2級は最適な判断基準になります。あなたが、英検2級の1次テストで合格できるくらいの英語レベルならば、十分に英英辞典を使いこなすことができますよ!(満点である必要はありません、合格できるレベルならば大丈夫!)
英英辞典を使うレベルに達していない場合
残念ながら英英辞典を使うレベルにまで達していなかったら?心配いりません。先ほど挙げた英語力をつけために、それほど時間も期間もかかりません。自分で簡単だと思えるレベルの問題集などを順々にこなしていきましょう。おすすめは、I am John. という本当に簡単なレベルから順番に学習を進めていくことです。時期に英英辞典を使いこなすレベルにまで追いついてきますよ。
↑は、やり直しにお勧めできる教科書兼問題集です。
なぜ英英辞典は英語力向上に役立つのか
英英辞典を使いこなしていると、様々なメリットがあります。
- 正しい英文が身につく
- 単語力がつく
- 文法力がつく
辞書を全く引かない多読も盛んに奨励されていますが、これですと語彙数は伸びません。
母語と違い、外国語の学習の場合、全く辞書を引かず推測するのは難しすぎるのです。
かといって、毎回辞書を引くとなると、意欲がそがれてしまうことがあります。
では、どのくらいの頻度で英英辞典を活用すべきかというと、映画を観ていて、そうですね、全体のボリュームに対して辞書を引くのは50ワードに1回くらい(つまり全体の2%くらい)にとどめておいたほうが、無難でしょう。もし一日中英語に接する時間を作れるのならばもっと頻度を多くしても良いですが。
英英辞典ではなく、英和辞典はどうか?
もちろん英和辞典もとても重宝します。英和辞典も英検2級くらいから使い始めるのが適切です。英英辞典だけではなかなか単語の意味が理解できないことがあります。英和辞典と英英辞典を併用することで、英英辞典の解説がより深く、そして早く理解できるようになります。
英和辞典を使うときの注意点は、英和辞典に書かれている和訳に引きずられないようにすることです。単語の覚え方で何より大事なのは、その単語が作り出すイメージです。そのイメージに最も近い和訳が英和辞典に載っているわけですが、一つの単語に対して和訳もたくさん載っていることと思います。
↑は、お勧めの英和辞典のうちの一つです。
電子辞書は便利なのでぜひ使っていただきたいと思いますが、次の調べ方ですと、単語のイメージ、意味がしっかりとアタマに残ると思います。
まず、英和で調べる。そこでその単語の大まかな意味を探る。
その上で、英英辞典で調べる。
こうすることで、単なる和訳だけでなく、その単語の本来のイメージをつかみやすくなります。
映画で見つけたちょっと面白い表現を例にとって英英辞典を使ってみましょう。
映画「ハンニバル」(英語で聞くと、ハニバルまたはハナバルと聞こえます。
最初の音にアクセントがあるからです。)の一部です。
この中で、Anthony Hopkins扮するレクター・ハニバルが、
“Is this Clarice? Well hello Clarice.” で始める会話があります。
レクター・ハニバルは、丁寧で紳士的な口調・表現でこの会話を始めて
いるのですが、
最後に
“If so, goody goody.”
といってます。
これは、それまでの口調がとても丁寧だったので、余計に恐怖心をあおる表現になってます。
では、この”goody goody” を英英辞典で調べてみましょう。
いま私の手元にあるロングマン現代英英辞典を開くと、
goody-goody という単語が載っています。そこには、
someone who likes to seem very good and helful in order to please
their parents, teachers etc.
とあります。
つまり、親や先生などを喜ばせようとする人(子供)という意味です。
この映画のシーンでは、レクター・ハニバルがそれまで丁寧な口調で、けれども「私は冬眠から覚めてまた新しい殺人を始めますよ」という恐ろしい予告をした上で、「君もまたこの事件にかかわっているのですか? そうなら、いい子だ」といってるのです。
わざと幼児語の”goody goody”を使うことで余計に恐怖が増す表現になっています。
ちょっと脱線しますが、この発音は「グリグリ」のように聞こえます。
正式な発音「グッディ グッディ」とは聞こえてはこない。
先入観を捨てて、耳に聞こえたとおりに認識すると、英語音のデータベースがドンド
ン蓄積できます。
そして、ちょっとイカした表現は、英英辞典で、英語のままイメージで覚えてしま
う。
こうすれば、あなたの英語は、切れ味のある英語になっていきます。
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