先日アメリカ人と交渉していたとき、「いやあ、ちょっと
その線を求めてるんじゃあないんだよなあ。」と私の
気持ちが傾いてきたときに、
“You are buying 35+years of experience and know-how, plus a state of the art
facility. “
といって、どんどんプッシュしてきた。
さすがアメリカ人。
もう自分がいかに素晴らしいかを強調するのに労力を惜しまない。
アメリカで仕事をしていたとき、人材を採用するときに、履歴書(レジメ)を見ていると、
もう、売り込みのオンパレード。
たとえば、
* 食品会社 宣伝部長として年間2千万円の宣伝費を効率よく管理。
前年度売上50%を達成し、その功績が認められ新たな部下を3人採用。
* トップマネジメントの一員として500億円規模の企業買収のファイナンス分析を
こなし、交渉を成立させる。買収した企業は現在優良企業として年間57億円の
利益を計上。* チームワークプレイを好み、現在の職場でアシスタントマネジャーから8ヶ月で
マネジャーに昇格。その間担当部門の経費を20%、つまり1500万円削減。
などなど。
私の同僚があるとき、
「そんなに実績を残しているのにどうして転職するの?」
と
聞いたというが、ホントにそんなに優秀なら今の会社がほってほかないでしょう?
というくらいの内容だ。
文化の違いもあるので私達日本人はここまでできないが、外資系企業に勤めようと
する 人たちや現に上司が日本人でない、という方は、ある程度自分を表現したほうが
よい印象をもたれるのは間違いない。
よく、
「ホントにナニ考えているのかわからない。どうしたらもっとはっきり言ってくれるんだろう」
と、日本にきたアメリカ人は自分の部下のことを漏らしていた。
特に採用するときに、レジメをみても、自分の実績の売込みが書いていないし、話をしても
それほど積極的でなくみえてしまう、というのはかなりマイナスに映る。
レジメは自分が達成したことを数字も使って具体的に書かないと通じない。
面接ではいつもの自分よりもちょっとアクティブな印象を与えるくらいでちょうどいい。
でも、これがなかなか難しい。でも帰国子女の人たちと話していると話題に出るが、
「日本語で話しているときと、英語で話しているときは、自分の性格がちょっと違う」という
のが、言葉+文化を使い分けている証拠だろう。
じゃ、どうやって交渉や話の場につくべきか?
自分にピッタリの映画俳優を探してみて、彼の英語やそぶりをまねてみるとよい。
自分を見失っちゃって、
「私アメリカ人よ」
みたいな日本人は実は欧米人にも
あまりいい印象をもたれない。
自分が日本人としての誇りをもっていて、さらに国際舞台では それにふさわしい振る舞いが
できる、というのが理想だろう。
この国際舞台に立ったときのイメージを今からちゃんと身につけておくのだ。
いきなり身につくものではないからね。
それには、映画俳優を真似ちゃうといい。
最初はマネでも、だんだん自分のスタイルになってきて、最終的には自分自身を投影する
国際舞台用イメージが出来上がる。
たとえば知的な職業についていて、アカデミック+プロフェッショナルなイメージを自分の
中心にすえたい、と思っているひとに、テレビドラマ「フレイジャー」の主役をおすすめ。
役柄でもハーバード卒、精神科医で現在はシアトルのラジオ局で人生相談のパーソナリティ
を務める成功しているインテリ。
英語もちょっと難しい単語をたまに挟んで知的な会話にみえるようにしている。
たとえば、こんな感じ。
「フレイジャー」より
“You get exactly waht you want,
and you’re still not happy.
life is not hard.
You make it hard.
You don’t just let things happen and enjoy it.
You gotta analyze everything to death.”
「望みどおりのものが手に入ったのに、
それでもハッピーじゃない。
人生はそんな難しいもんじゃあない。
お前が難しくしてるんだ。
お前は、起こったことをそのまま楽しまないんだ。
何でもかんでも分析しようとする。」
こういうパターンを自分でも真似てみていくうちに、発音も身振り手振りも、そしてイメージも
だんだんとしみこんでいく。
それを続けていくと、今度は、真似ている俳優から自分が抜け出して、自分自身のキャラクターに
ピッタリの「国際舞台用英語を流暢に操る自分」ができてくる。