前回の続きです。
ご紹介した本の3人の子どもは、帰国後 小学校から高校までをインターナショナル スクールとアメリカンスクールで過ごしている。
つまり、日本にいながら日本流の教育は受けずに、特殊な教育を受けている。
3人ともに、それぞれ米国大学への入学を目指すが、ここがオモシロイ。
3人とも英語を母国語としない人向けの英語テスト(TOEFL)では、満点近くを
獲得する。
しかし、3人とも米国人なども受験しなくてはいけないSATという共通テストで は、英語のテスト結果が芳しくなかったのだ。
つまり、ほとんどネイティブと思えるような環境で育った3人の子どもたちは、英語
を母国語としない人たち向けでは英語はトップレベルだが、ネイティブの実力にはは
るか及ばない、ということになる。
3人がネイティブにかなり近い英語力を発揮できるようになるには、米国大学および
大学院での、ぎっしり詰まった授業や米国学生生活を経験してからのことだったらし
い。
(このうち、一人は米国大学院向けの英語テストでは、ネイティブも含めて堂々トッ プ1%の英語力を誇っている。)
本ではTOEIC,TOEFLといった英語圏以外の人が受ける英語試験をクリアし
ても、ネイティブ並みの英語力に比べると、たいした英語力ではない、といってい
る。
しかし、この3人の子どもたちが米国大学に入る前の英語力(つまり帰国子女レベル
の英語力)は、役に立たないかというとそんなことはない、非常に役にたつのだ。
つまり、誰もがネイティブ並みの英語力を見につける必要はない、ということだ。
実際に使う英語レベルはもっともっと、低いレベルに設定されていて、それさえクリ
アできれば、英語でのコミュニケーションに支障はない。