英語に興味がない人のほとんどは、暗誦とか、
TOEICのようなドリル問題を解くのとかがイヤ、
もう、勉強らしいことが大嫌いだから、という人で
はないでしょうか?
私も同類。実際気分がいったん「いやだな」という
方向に向いたら、もう何をやってもムダ。
しかしこれで英語を捨ててしまうのはなんとももったいない。
なぜなら、少なくとも あなたには、あるレベルの英語力が
すでにありますから。
これを、ぜひ、上に持っていってほしいと思います。
それには、興味のある素材を見つけてください。
まず、日本語で。
映画やテレビドラマはよい素材ですが、同様に読み物、
雑誌でも新聞でも、もちろん小説でもOKですが、
読み物は、長続きして、さらに英語力も養える
素材です。
まず、日本語で面白い、楽しい、というのを見つけて、そこから、英語版がないか探すとよいです。
最近は、漫画ならサザエさん、
小説なら 村上春樹 まで英語版で出ています。
もちろん、海外のものを翻訳した本などは最高です。
まず、日本語で自分の趣味の世界にどっぷり浸かってください。
もし、あなたが動物が好きなら、雑誌「ナショナルジオグラフィック」
の英語版と日本語版を購読する。
私はこの雑誌が大好きです。
毎月、南アメリカのジャガーを保護する話とか、
人類が始めてアフリカから世界へ広がっていった頃の
ストーリーとか、私にとっては興味深い話題のてんこ盛り。
気がつくと、一冊読み終えていた、というほど楽しい雑誌です。
また、ミステリー好きならアガサクリスティー、映画化された
原作を読むのも楽しいです。
素材が揃ったら、次の方法で英語を楽しんでいくと、英語力は増強します。
まず、日本語でざーと全部読んでしまう。それから以下へ進みます。
1) 英文を読む。 1~2ページを一区切りにする。
2) 意味の取れない箇所は、翻訳本、辞書で意味を取れるようにする。
3) もう一度英文を読む。日本語に落とし込まずに英語だけで理解できる
ようになるまで、何度か読む。
4) 音声を聞く。何度も聞く。
大体ここまでやれば、インプットは、上々です、英語力は確実に伸びます。
しかし、ここでとめない。
ここからさらにアウトプットへつなげると、
英語で表現できる、つまり話せ書ける いわゆる英語が使える人になります。
5) 1)で何度も読んだ英文を、自分の英語に言い換えて表現してみる。
たとえば、 “The Curious Case of Benjamin Button”の冒頭は、
As long ago as 1860 it was the proper thing to be born at home. という文で始まります。
「1860年ほども昔の頃だと、自宅で子供を出産するなんて当たり前だった」という
意味です。
意味がわかったら、これを自分の英語で書いてみる。
It was still natural to give birth to a baby at home around 1860.
などはどうでしょうか。
もしくは、
People gave birth to babies at home as long ago as 1860.
というのはどうでしょう?
こんな風に自分のことばで アウトプットをどんどんしていくのです。
これが 同時通訳者の訓練、そしてESLでよくおこなうパラフレーズです。
ESLというのは、English As a Second Language 「第2言語としての英語」という意味です。
米国やイギリスには、日本人を含め、英語ができない人がたくさんきます。
そういった人たちに、特に子供ですが、ネイティブ対象の本当の学校の授業に入る前に、
まず、受けなくてはいけないクラスが、「ESL」です。
英語ができない人が、サバイバル英語を身につけるためのクラスという位置づけです。
日本の英語の授業と違うのは、英語を「外国語」として扱うのでなく、「第2言語」つまり、
その子供にとって、第2の言語になるよう育てる、ということです。
先生は英語しか話しません。ですので、ご紹介したような「パラフレーズ(言い換え)」を
頻繁に利用するのです。
たとえば、単語をもっと簡単な単語を使って言い換えたり、文の意味をもっと簡単な表現に
言い換えたりします。
先生だけでなく、生徒にも、言いかえをさせることで、生徒の英語力がグングンと伸びる
仕掛けです。
こんな調子で、どんどん書き換え(パラフレーズ)をしていきます。
そうすると、すでにある原文の英語をちょっと拝借したりして、実際に英語を使う方法が
わかってきます。
さらに、「あ、ここは英語で言えない、書けない」という「穴」がわかります。
こういった穴は「和英辞典」「英英辞典」などで、調べて文をつくっていくのです。
また、パラフレーズのときに、自分の書いた英語が正しいかどうか自信がもてない
ことがほとんどですが、それでも、どんどん書いていくことで、どんどん正しい英語
質のよい英語に近づいていきます。
これは、多くの方が実践し効果は実証済みです。
始めは文を書くことすら億劫で、単語の羅列に
なることもありますが、どんどん進めていけば、かならず良質の英語を自分で
書けるようになっていきます。
最後に、1ページごと、または1章ごと程度に、口頭で、「こんなことが書いてあった」
という内容をまとめて英語で言ってみます。
これは、「ねえ、どんな小説なの?」とネイティブに聞かれて、「うん、それはね、
いまんとこ、こんな感じ」と説明してあげる気持ちで話すのです。
そうすると、いったん内容を理解して、さらに自分の英語でパラフレーズ(言い換え)を
したことがある英語なので、思った以上に、スラスラと英語で説明することができます。