またまた私の友人の一人が、奥さんをアメリカへ帰国させた。
子どもも一緒だ。
最近私の周りでは、せっかく日本に滞在する機会を得ても、家族を母国に返してしま
う英語圏の友人が何人かいる。
以前は家族で日本にくると、大抵企業が日本にあるインターナショナルスクールの費 用を負担していた。
日本のインターナショナルスクールやアメリカンスクールは、補
助金を得られないからだろうか、学費が年間200万円位する。
企業からの補助がかなり厳しくなってきたのだろうか?
しかし、アメリカの私立小学校は、年間200万円くらいの学費はかかるので、金額
的にそれほど驚くことではないかもしれない。
帰国する家族と話してみると、帰国の一番の理由は「英語の心配」だそうだ。
私たちから考えると、日本に住んでいても 家族は英語ネイティブだから当然家の中
では英語、しかも学校も英語なんだから、英語に問題はなさそうだが、実情はそうで
もないらしい。
まず、家庭で使う英語は、語彙が限られてしまう。
私たちが、どちらかというと苦手な映画や会話などによく出てくる表現や言い回し
は、家庭の会話でほとんどカバーできる。だから問題がない。
問題なのは、より高度な、どちらかというと教養レベルに相当する英語力だ。
子どもは10歳くらいから、抽象的な概念を言葉で理解し始めるという。
この時期に抽象的な概念を理解できるようにならないと、その後の言語習得にも大きな影響を及ぼすそうだ。
彼らは、自分たちの子どもが、アメリカ人であるにもかかわらず、子ども程度の英語
表現力しか身につくことができないのを恐れているのだ。
それで、奥さんや子どもはやむを得ず母国に返すということになる。
実際に日本人でも、子どもの頃から海外に親の事情で赴任していた人たちの中で、英語力は抜群だが、日本語は会話しかできない人はかなりいる。
これもきっと抽象的な概念の習得をするはずの時期を逃してしまったためだろう。
こういったことを考えると、語学の習得は、まず第一に基本的な能力を押さえた後、 さらにステップアップするためには、より深く考え抽象的なことも理解できるように する必要があるようだ。
そのためには、楽しみとしての映画とより深い知識の吸収としての読書をお勧めす
る。
私の例でいうと、映画も音楽も読書も私の楽しみのひとつで毎日書かせないものに なっている。
特にこれを絶対ヤルというふうに、決め込んでいないが、その日の気分で毎日楽しん
でいる。
たとえば、
朝 コーヒーを飲みながら英字新聞(ヘラルドトリビューン)を30分程度読み流
す。
午前中に海外と仕事の打ち合わせの電話+雑談を30分程度
時間が空いているときにサスペンスのペーパーバックを30分から1時間程度。これ
は時間を測って読むことで多読を心がけている。
仕事の関係の英語を読んだり書いたりする。大体日に1時間程度。
夕方少し堅めの英語を読む。たとえば雑誌だったら「TIME]、あとはハードカバーの
本。これは読後に要約を英語で書いたりするので、1時間から場合によっては2時間
くらい。
夜は家でくつろぎながら映画を1本みる。
私の場合、英語に接するのは異文化に接するようでとても楽しいので、この位、英語
に接する時間があると毎日楽しく過ごせる。
軽めの英語で楽しみ、深い英語で教養を高めることができるので、こういった方法は
あなたの英語力にさらに磨きをかけるだろう。