“How are you?”
“I am fine, thnak you. How are you?”
中学校で英語の授業を始める前に、どの教室でも交わされたフレーズだ。
中学生ながら、こんなこという欧米人見たことも聞いたこともない、と思っていた
が、案の定、初めて海外で会話したときに、こんなフレーズは交わされなかった。
いや、実際には”How are you?”と聞いてくれたのかもしれないが、少なくとも耳には届かなかった。
サバイバルするために、必要最低限の片言英語をアタマに入れることは重要だと思 う。
たとえば、オバさんたちの海外旅行では、いつ悪い奴らにたかられるか分からない
し、店でのショッピングでも 高いものをつかまされないための防御策として、
“Just looking, thank you” くらい言えた方がいい。
しかし、片言英語を覚えるのは一方的にこちらから最低限いわなくてはいけないこと
を言うときに効果があるということであり、会話が成り立つには程遠い。
“How are you?”も同じだ。
サンフランシスコに滞在中に、デイキャンプに通っていた娘に、
「最初なんてお友達と話したらいいの?」と聞かれて、
「”How are you?”っていったら?」と最小限サバイバルツールを伝授(??)した
が、
子どもはもっとフレキシブルで、
帰ってくるなり、お友達にねえ 「”ハワダユウ”って聞かれた。」
中学校の教師から学んだ発音とも、英語教材のきれいな発音とも似ても似つかぬ “How old are you?” のカリフォルニアキッズ版の発音だ。
「他のお友達が ”ファイ” とか ”セックス”とか答えていたから ”セックス”って
答えた。」
子どものほうが感が鋭い。
ちなみに”ファイブ”のv は聞こえづらい。”セックス”は six のことだ。
日本語の「イ」「エ」の中間位の発音だが、「エ」により近く聞こえるので、「シッ
クス」でなく「セックス」と聞こえる。
こうして、文字から英語を習い始め、中学教師の発音で育った30代、40代世代より
も、感覚で友達と英語を交わし、場面場面を経験していくうちに、”ハウワダユウ”な
どの表現がドンドン増えていくのだろう。
誠にうらやましい限りだが、大人になったいま子どもには戻れないと、嘆くこともな い。
忘れなければいけないのは、中学英語教師の発音という先入観だ。
もっとナマの英語を聞いて、聞いたままを本物の音として、捉えていくことができれ
ば、聞き取りは今からでも大きく上昇していく。
同じように英語を読むときも、波に乗れるような読み方、たとえば日本語を読むとき
に 「わ・た・し・が」などと1文字づつ読むのでなく、かなり長い句を一目でつか
み、ドンドン読み進めるように、英語もこのような読み方ができればそれは英語を聞
くのと同じように、ドンドン英語力の蓄積に役立っていく。
決して日本語に訳さずに、つまり後戻り訳も、途中で日本語で考えることもなく、英 語を読み進めることができれば、非常に大きな力になっていく。
英語を聞くこと、英語を読むことを、先入観なく進めていくと、大きな成果が待って
いる!
難しいし、英語のまま理解するのは不可能だ、という人もいるが、子どもは英語を
まったく知らず、不可能なことをやっている。
そのようにできるようになりたいと願っている人は試してみる価値がある。