英会話学校でマンツーマンやグループレッスンでは「結構私話せる」とちょっと自信
を持っているんですが、いざ海外へいくと、マクドナルドで注文することでさえドキ
ドキしてしまいます。どうしてでしょうか?
こんなご質問をいただいた。
私は大学時代に40日間をかけてアメリカを1周して遊んだことがある。
その頃は結構英語できるかな、と思っていたのでアメリカで「英語上手だね」と言わ
れると内心ほくそえんでいた。
ところが、このフレーズはネイティブ本人はホメ言葉のつもりでも、実際には「あな
たの英語はネイティブと違うね」といわれているのと同じことなのだ。
これには、あとでアメリカの大学院や米国で仕事をしたときに、痛感した。
「あなたの日本語は上手ですね」と日本人に対していうだろうか?
まず、いわない。
日本語ができて当たり前だし、日本語ができるかどうかなんてまず問題じゃなく、何
をしゃべっているかのほうが重要だ。
だから、海外にいって「あなたの英語は上手ですね」といわれたら、語学レベルとし
ては渋谷でベチャクチャしゃべっている女子高生の日本語には到底かなわないレベル
と考えなくてはいけない。 というか、私はそう思って一層英語習得に励んだ!!
同じように英会話学校で結構しゃべれるかな、と思っているのは、あらかじめ設定さ
れているゲームのなかではうまくやっている、というレベル。
つまり、お客さんであるあなたに、ネイティブの講師がやさしく楽しく語りかけてく れている。だからあなたはスムーズに自分を表現することができる。
たとえたどたどしくても、講師は意を汲んで、それはグッドアイディアだ、なんて誉
めてくれる。
このこと自体は、非常に素晴らしいし、それが自信につながるのならばドンドン前向
きに練習をつづけるといいと思う。
しかし、アメリカのマックでバイトしている女子高生やフリーターが、あなたにやさ
しく語り掛けてくれることは、まずない。
最近またアメリカのこの手のサービスは、質が落ちたような気がするが、いずれも
つっけんどんなやり取りしか、ない。
マックのバイトさんは、できるだけ早く面倒な客を処理したい、という感じで注文を 聞いてくる。態度からして英会話学校の講師とは違うのだ。
だから、もし注文がまどろっかしかったり、いっぺんで分からないような言い方だと
余計に「なんでわかんないんだよ、どこ住んでんだよ」というような態度および言い
方になる。
で、聞き返すとますますわかんないことを言ってる気がする、という悪循環に陥って
しまうのである。
これが、冒頭の質問と関連する。
つまり、英会話学校の英語講師と アメリカのマックでバイトしているおばさんと
は、英語の早さ、親切さ、愛嬌、何から何までちがうのだ。
でも、あんまりめげることもない。
こう言うときの対処法は、「言い放つ」ことである。
それから文章にしない。欲しい
ものだけを言い放つ。ちょっと大きめの声で。”Two Big macs and an orange juice, please.”
“Can I have” とか ”I would like to have”を最初にくっつけた方がいいかな、な
んて考えない。
短くはき捨てるように言い放つ。日本語はモゴモゴ話すが、言い放つことである程度 ハッキリと発音することができる。
だから相手に伝わりやすい。また、言い放つような強気な態度で接すると 相手も多
少はこちらの出方を気にして、ちょっとやさしくなってくれる。
私が大学院時代にみにつけたワザ、今度の旅行のときに試してみてください。