渡辺 謙 が助演男優賞にノミネートされた「ラストサムライ」を観にいった。
渡辺 謙だけでなく、主役のトムクルーズ、家臣役の真田広之も好演の 最近みた映 画では最もお勧めの感動巨編だ。
日本人では描ききれない、現代日本人が忘れてしまっている誇り高い精神が見事に描
かれている。
“honour”の為には命すら惜しくないという考え方が、欧米ではうまく理解されないと
いうが、この映画を見ればズバリ納得するんではないだろうか?
日本語での会話には、英語の字幕がつくのだが、これが実にうまくニュアンスを捉え れている。
夫を 戦場でトムクルーズに殺されてしまったタカは、トムクルーズの謝罪に、
「これもまた何かのおぼしめしかもしれない。」
It is beyond my understanding.「お気持ちだけは・・・」
I accept your aplology
と、英語を読んだほうが、タカの気持ちがよくわかる、というくらいドンピシャの訳
をつけている。
会話は非常にゆったりとしているので、日本語の時に、
「こんな英訳をつけたらいいかな」と考えながら楽しめる。
武士の勝元 扮する渡辺 謙は、トムクルーズとぴったりの間合いで、英語で禅問答 のようなやり取りを進めていく。
これもまた、すばらしい。
日本人でも、英語さえ使えば、世界のトップと同等に渡り合えるということを見事に
実証してくれた。
なので、武士道をあらわす言葉が非常に心に響く、すばらしい英語表現も連発だっ
た。
What could be more necessary.
A man can change the destiny.
暗い映画館でメモをとったが、本当にペンを動かすのがもどかしくなるくらい、すば らしい表現がたくさん詰まっている。
あとで、メモ帳をみたら、もうめちゃくちゃに書きなぐっているので、何がなんだか
わからないところも多い。
はやく、DVDでもう一度見たい。
武士の気持ちや考え方については、1899年にアメリカで出版された新渡戸稲造 著 「武士道」が影響を与えているらしい。
この本は英語日本語の対訳が出版されている。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4770024029/technoweb-22
彼は国際連盟の次長として実績を残し、教育者としても東京女子大学初代学長を勤め
るなど活躍した人ではあるが、100年も前にこんなに格式の高い英語でアメリカ人
に武士道を説いた新渡戸稲造 氏の英語力には、驚くものがある。
後先のことを考えるのでなく、今このときを完全燃焼させることで 武士の棟梁であ
る勝元も、はたまた新渡戸稲造 氏も大いに満足できる人生だっただろう。
あなたも、英語をひとつの手段にして、自分の人生をエンジョイするのもいいかも?